ダニー・ボイル、『007』最新作への関与認める ─ 監督正式決定ではない

2019年11月8日米国公開予定の映画『007』シリーズ最新作について、かねてより関与が噂されていた映画監督のダニー・ボイルがその事実を認めた。Metro USへのインタビューで明らかとなった。
ダニー・ボイル監督は、2018年2月に『007』新作の「有力候補」と伝えられ、続けて脚本執筆にもあたっているとの内部スクープとして伝えられていた。国内の一部報道では「ダニー・ボイルが『007』シリーズ最新作の監督に決定した」と伝えられているが、この度の報道は、企画への自発的な関与をダニー・ボイル本人が認めたというものであり、監督への就任が決定したこととは異なる点にご留意いただきたい。
それでは、この話題を一度整理しておこう。『トレインスポッティング』(1996)や『スラムドック$ミリオネア』(2008)などで知られる映画監督のダニー・ボイルが、『007』シリーズ最新作の監督として有力視されている、との一報があったのは2018年2月のこと。これを伝えたのは米Variety誌の独占ニュースだった。ただし正式オファーの事実はなく、製作のMGMスタジオからはノー・コメントだった。
その直後、今度は米Deadline誌から、ダニー・ボイルが『トレインスポッティング』や『T2 トレインスポッティング』(2017)でタッグを組んだ脚本家ジョン・ホッジと共同で、『007』第25作の脚本作業に入っているとの情報が飛び出す。大手メディアによる記事ではあったものの、読み込むと「私のソースによれば…」という論調であった点、及び、やはりMGMからのコメントが得られていない点から、「タレコミ情報」的な域を出ないものであった。
故に今回の情報から判明した進捗とは、あくまでもダニー・ボイル本人によるプロジェクト関与が認められた、というもの。監督は現在、『ラブ・アクチュアリー』(2003)リチャード・カーティス執筆の作品に取り掛かっており、「6週間から7週間以内のうちに撮影を始めたい」という。これに一段落を付けた後に『007』最新作への着手を希望しており、「年末あたりになるかな」と述べている。あくまでもボイル監督による見通しである点にご留意いただきたい。
またこの度の記事によって、監督がジョン・ホッジと共同で執筆にあたっているとの情報の裏が取られたこととなった。監督は「脚本のジョン・ホッジと私にはアイデアがあるんです。今まさにジョンが執筆中で、全ては(脚本の)出来にかかっています」と明かした。
繰り返すが、MGMスタジオやプロデューサー陣はダニー・ボイル監督の起用をまだ正式に認めていない。監督が言うように、起用は彼らが仕上げる脚本次第だ。Varietyによれば、この話題に関してもMGMは黙秘を貫いている。続報を待つとしよう。
映画『007』第25作(タイトル未定)は2019年11月8日米国公開予定。