『007』第25作、ダニー・ボイル監督が降板 ― 理由は「創造性の相違」、後任者の噂も浮上

ダニエル・クレイグが“6代目”ジェームズ・ボンド役を務める、映画『007』シリーズの第25作(タイトル未定)から、ダニー・ボイル監督が降板したことがわかった。映画の公式Twitterにて、プロデューサーのマイケル・G・ウィルソン&バーバラ・ブロッコリ、そしてダニエルが連名で発表している。
Michael G. Wilson, Barbara Broccoli and Daniel Craig today announced that due to creative differences Danny Boyle has decided to no longer direct Bond 25. pic.twitter.com/0Thl116eAd
— James Bond (@007) 2018年8月21日
『トレインスポッティング』(1996)や『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)、『スティーブ・ジョブズ』(2015)などで知られるダニー・ボイル監督は、『007』第25作への就任が2018年5月に発表されたばかり。降板の理由は「創造性の相違(creative differences)」と説明されており、その具体的な内容は明かされていない。米Varietyによれば、本作は2018年12月の撮影開始に向けて、ボンドガールと悪役のキャスティング段階にあったという。
ボイル監督は2012年のロンドン・オリンピックで開会式典を演出した際、短編映像『Happy & Glorious(原題)』にクレイグ演じるボンドを登場させていた。当時から温めていたアイデアをもとに、監督は本作の脚本を『トレインスポッティング』シリーズのジョン・ホッジと共同執筆。『007』のプロデューサー陣は、ボイル監督&ホッジによる脚本と、シリーズの常連作家であるニール・パーヴィス&ロバート・ウェイドが以前から執筆していた脚本を検討してボイル監督を選んだとされている。
ただし今回の発表では「ボイルは監督を務めない」とだけ発表されているため、ボイル監督の脚本が今後も使用されるのか、あるいはお蔵入りになるのかはわかっていない。
なおボイル監督の降板を受けて、プロデューサー陣は急ぎ後任者を検討するとみられる。これまで『007』第25作の監督には、『ベルファスト71』(2014)のヤン・ドマンジュ、『ブレードランナー 2049』(2017)などのドゥニ・ヴィルヌーヴ、『最後の追跡』(2016)のデヴィッド・マッケンジーといった複数の候補者が挙げられていた。しかしドマンジュは『White Boy Rick(原題)』の米国公開を2018年9月に控え、ヴィルヌーヴは『デューン/砂の惑星(邦題未定、原題:Dune)』2部作の企画を進行中とあって多忙の状況だ。マッケンジーは新作『Outlaw King(原題)』を完成させたばかりで、今後の予定は不明。いずれにせよ、この3人の候補者が再検討されるともかぎらない。
そんな中、米Varietyのジャスティン・クロール記者は、「話半分に聞いてほしい」「ただの噂にすぎない」としたうえで、後任者候補に『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)のクリストファー・マッカリー監督の名前が浮上していると伝えている。あくまで噂ながら、これは非常にリアリティのある人選だろう。監督の後任者が誰になるのか、撮影は2018年12月から予定通りのスケジュールで行われるのか、今後の情報に注意したい。
映画『007』第25作(タイトル未定)は2019年11月8日に米国公開予定。間に合うか…?
Sources: 007, Variety, Justin Kroll
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