『007』ダニエル・クレイグ、次期ボンドの姿を見たら「ビターな気持ちになる」 ─ 卒業に「寂しくなる」と率直な気持ち

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で6代目ジェームズ・ボンド役から退くダニエル・クレイグが、俳優人生の15年を捧げた同役からの卒業に複雑な心境を明かした。自分の後を継ぐ7代目ボンドの姿を見たら……?ダニエルは、この瞬間に自身が抱くことになるであろう気持ちを英トーク番組The Graham Norton Showの場で明かしている。
ダニエルは、2006年の『007 カジノ・ロワイヤル』から15年間、ジェームズ・ボンド役を全うしてきた。この任期は、歴代のボンド俳優5人を上回る最長記録だ。もっとも、前作『007 スペクター』(2015)で引退する予定だったダニエル。そこから一転、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』への続投が決まった時について、「終わりかと思っていましたが、戻ってこられる機会をいただけて、とてもとっても嬉しかったです」と当時の心境を振り返っている。
決して短いとはいえないこれまでの歩みについて、ダニエルは「映画を作ってこられたのは信じられないくらい素晴らしかった」と全5作を顧みながら、「すごく感情的になりますね。自分の任期を終えられることは嬉しいです」と続ける。さらに、「僕にそうさせてくれたプロデューサーたちには感謝です」と述べながら、このようにも語った。「寂しくなるのは間違いないです。新しい人が(ボンドを)継ぐ時には、すーっごくビターな気持ちになるかもしれないです」と。
これこそ、初代のショーン・コネリーをはじめとする歴代ボンド俳優たちそれぞれが、去り際に抱いてきた率直な感情なのだろう。今でこそ新たなジェームズ・ボンド像を確立したダニエルだが、抜擢当時は海外メディアから批判の嵐であった。このような逆境にめげず、与えられた役割に没頭したダニエルは『カジノ・ロワイヤル』で成功を収め、第3作『007 スカイフォール』(2012)では歴代シリーズ最高の興行収入を打ち立てた。今では、プロデューサーのバーバラ・ブロッコリに「彼の後のボンドを想像できない」と言わしめるほどである。
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、『カジノ・ロワイヤル』に始まった旅に決着をつけることになるボンドが描かれる。ヴェスパー・リンドやMら大切な人を失い、そして複雑な過去にも向き合ってきたこれまでの4作。本作で描かれるその締めくくりを見逃さないわけにはいかない。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2021年10月1日(金)全国公開。
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