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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』監督、リブート企画の「アイデアある」 ─ 実現はプロデューサー次第

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
Credit: Nicola Dove © 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)に始まった“ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンド映画”の最終作。リレーの“最終ランナー”を務めたのは、監督・脚本を兼任したキャリー・ジョージ・フクナガだ。長きに渡る公開延期を余儀なくされた本作をとうとう送り出した今、監督には、早くも次回作のアイデアがあるという。

/Filmにて、フクナガ監督は「もし自分でリブートする必要があるのなら、提案できるアイデアはまだあります」と述べている。しかもそのアイデアは、本作が『ノー・タイム・トゥ・ダイ』というタイトルになる以前、まだ「『007』第25作」と呼ばれていた企画にフクナガ監督が就任した、2018年9月に芽生えたものだったという。

「この映画について、まだ何も決まっていない頃でした。2018年9月に、僕はみなさんの話を聞いていたんです。何が成功して、何が失敗するのか。彼らが何を求め、何を望んでいるのか。それらを受け止めて、物語に変換する方法を探らなければいけませんでした。そうすると必然的に、どんな挑戦が行われ、どんな物語がうまくいかなかったのかを知ることになります。誰もがそんな中で、うまくいく方法を探しているわけです。」

こうした企画初期の様子を、フクナガ監督は──その真意は察するほかないが──「家具のスペアについて考えるようなものだった」と回想している。わざわざ新しく用意し、しかも十分に使えるものでなければならない、ということだろうか。ともあれ、次回作のアイデアは「そういった9月のミーティングから生まれ、撮影が終わるまで深まっていった」ようだ。

もちろん、監督はアイデアの内容には一切言及していない。また、実際に『007』第26作を撮るかどうかは「(プロデューサーの)ブロッコリ・ファミリー次第」と断言した。「もし僕との仕事を喜んでいただけて、復帰してほしいと思っていただけたら、その時にお話をすることになります」。

ちなみにフクナガ監督は、ただいまスティーブン・スピルバーグ&トム・ハンクス製作の戦争ドラマ「Masters of the Air(原題)」の撮影中。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』から仕事が続いており、コロナ禍のロックダウンもあって人に会えない日々だったため、同作の撮影が終わった後は休暇を取って「世界と繋がり直したい」ということだ。

ノンストップで仕事をするのではなく、自分が次にどんなことをしたいかという感覚を探りたいし、どんな方向性になりうるかを考えてみたい。将来的にそれがボンド映画になったら最高ですし、そうでないとしても(『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は)最高の経験でした。」

ちなみにプロデューサーのバーバラ・ブロッコリによると、『007』シリーズの今後については「来年(2022年)から考えはじめる」とのこと。すなわち現時点では、ジェームズ・ボンドの可能性は無限大ということだ。

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Source: /Film

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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