【ネタバレ】『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』衝撃フィナーレへの伏線となった仕掛けがあった ─ 序盤のシーン、監督が説明

この記事には、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の重要なネタバレが含まれています。必ず本編を鑑賞した後にお楽しみください。

ダニエル・クレイグが演じる最後のジェームズ・ボンドとなった『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、歴代の『007』シリーズでは見られなかった壮大な結末を迎える。ボンドが海の遠い向こうを見据えて1人立ち尽くす姿は、言葉では言い表すことのできない感情をジワジワと与えた。
ボンドが辿った運命を巡っては物語の序盤で伏線があったといい、それは恐らく観客の誰もが気が付かなかったであろう小さな仕掛けとして本編に登場していた。米Varietyで「すごく重要なイースターエッグがあったんです」と語るキャリー・ジョージ・フクナガは、そのシーンについて「ボンドがマテーラで訪れた墓地です」と明かす。
序盤、マドレーヌ(レア・セドゥ)とイタリアの都市マテーラで休暇を楽しんでいたボンドは、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)で亡くしたかつての恋人ヴェスパーとの思いに決着をつけるため、彼女の墓地へと赴くのだ。この地にボンドの運命を示唆する何かがあったというが、フクナガ監督はこう明かしている。
「ヴェスパーの墓の上に、2つの骸骨が石に刻まれた旗のようなものを持ち上げているんです。私たちは決してそれを強調したり、フォーカスすることは無かったですが、ただ振り返る人のためにと思って。実はこれ、私と(プロダクション・デザイナーの)マークが橋がかかっていた所にあったバシリカ聖堂で見かけたラテン語のフレーズなんです。」
そこに記されていた内容こそ、まるでボンドの未来を予言するかのようなものだった。ラテン語のオリジナルのフレーズをフクナガ監督が英語で訳したのが、「What you are I once was, and what I am, he will become.」というフレーズ。意訳してみると、「今の汝、かつての我。今の我、汝の未来」となるだろうか。汝=ボンドと解釈すれば、言葉の意味を理解できるはずだ。
もっとも、フクナガ監督が「イースターエッグ」という言い回しを用いているように、このフレーズは本編でさほど重要ではなく、それでいて気がついた人がいれば物語の深みを伝えてくれるものとして配置されたのだろう。ちなみにフクナガ監督によれば、ボンドが訪れた共同墓地は実在せず、映画のためにゼロから築き上げられたものだという。監督は「背景にはマテーラの街並みが広がっていて、あたかも昔からあったように映っていますが、あの共同墓地は(撮影の)ほんの数週間前まで無かったんです」と裏話を教えてくれた。
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Source: Variety