『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』再撮影の恐れ ─ 度重なる公開延期の新たな弊害か

スパイ・アクションの金字塔『007』の映画シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に再撮影の可能性が浮上している。英タブロイド紙The Sunが伝えた。
現在『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、2021年10月に米公開を控えている。当初は、2020年4月に封切りが予定されていたが、コロナ禍の影響で計4回延期が発表された。主要撮影はむろん、追加撮影・再撮影が行われるポスト・プロダクション(撮影後作業)も当初の公開日に向けて完成済みであるにもかかわらず、ここにきてなぜ再撮影の可能性が浮上してきたのだろうか。
その大きな要因こそ、度重なる公開延期にある。情報筋によれば、公開日が元々の予定から約1年半繰り下げられたことにより、プロダクトプレイスメントを巡る契約に問題が生じているという。プロダクトプレイスメントとは、作品劇中で役者の小道具または画面の背景に、実在する企業名や商品名(商標)を表示させる広告手法のこと。いわば、企業にとっては自社の商品をアピールする場である。ところが繰り返される延期により、公開される頃までには登場するアイテムが旧型・旧式のものとなってしまうことを、企業側が懸念しているというのだ。
莫大な予算が投じられた大作映画では、制作費を回収する手段の1つとして、このプロダクトプレイスメントが浸透しているのだそう。企業側も最新の自社製品を宣伝すべく、本作に巨額を投じているのだ。こうした背景により、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でプロダクトプレイスメントが該当するシーンについて、再撮影の恐れが生じているということだ。
報道によれば、少なくとも本作にはノキア社の携帯電話、オメガ社の腕時計、アディダス社の靴、ボランジェ社のシャンパンがプロダクトプレイスメント契約に含まれているとのこと。また、特に大手テック企業は「ファンに対する宣伝・販売促進のために、最新アイテムを出演者に身に着けてほしい」意向だという。
このたびの報道は、コロナ禍における度重なる公開延期がもたらした新たな弊害と言えそうだ。また、当初のスケジュールから公開日が大幅に延期されている作品は本作に限らないので、今後同様の問題が続出する可能性も考えられる。あるいは、このたびのケースの二の舞になることを危惧する企業も出てくるかもしれない。
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Source: The Sun