「A24」2023年公開予定作まとめ ─ 『エブエブ』だけじゃない、注目作を解説

『The Iron Claw(原題)』
アメリカのプロレス界に大きな影響を及ぼしてきたレスラーの一家、フォン・エリック・ファミリーを題材にザック・エフロンが「鷹の爪」の異名をとるケビン・フォン・エリックを演じる。元々トレーニングが大好きで、『ベイウォッチ』でも共演のドウェイン・ジョンソンにも見劣りしない見事な肉体美を披露したこともあるザック。解禁されているファーストルックではザックが対戦相手にドロップキックを放っているシーンが捉えられており一回りも二回りもバルクアップされたムキムキボディも話題だ。
ファミリーのデビッド・フォン・エリック役を『キングスマン:ファースト・エージェント』のハリス・ディキンソンが演じるほか、『ベイビー・ドライバー』のリリー・ジェームズらが共演。監督・脚本を務めるのは『マーサ、あるいはマーシー・メイ』『不都合な理想の夫婦』のショーン・ダーキン
プロレス界の一時代を築くも、息子6人のうち5人が若くして事故死・病死・自殺などで他界し、「呪われた一族」と呼ばれることもあるフォン・エリック・ファミリー。ザックのファイトシーンもさることながら、煌びやかな業界の悲劇を描くドラマにも注目したい。全米では2023年の公開予定、現時点で日本公開日は未定。
『When You Finish Saving The World(原題)』
『ソーシャル・ネットワーク』や『グランド・イリュージョン』シリーズへの出演で知られるジェシー・アイゼンバーグがAmazonのオーディオブック、Audible(オーディブル)で執筆したオーディオドラマ『When You Finish Saving The World(世界を救い終えたら)」を自ら初長編映画監督として映画化。何を考えているか分からない年頃の息子ジギーの代わりに保護施設の気取らない少年の面倒をみることに情熱を注ぐ母エヴリン。一方でジギーは母との隔たりを感じつつ学校にいる魅力的な女の子に引かれていく。
エヴリン役にアカデミー賞受賞の名女優ジュリアン・ムーア、ジギー役に「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のフィン・ウルフハードが親子役で主演。海外で公開されている予告編からも「A24」の青春映画の名作『20センチュリーウーマン』を彷彿とさせる、母と息子の葛藤やヒリヒリするティーンの恋模様を感じさせる。老若男女の実力派俳優たちの演技合戦に期待したい。全米では2023年1月公開予定で、現時点で日本公開日は未定。
そのほか、アマンドラ・ステンバーグなど次世代の若手俳優たちによるパリピ達の殺し合いゲームが展開される『Bodies Bodies Bodies』、ティルダ・スウィントン主演のミステリー『The Eternal Daughter』、マーベル映画のウィンターソルジャーを演じたセバスチャン・スタンの怪演が光るスリラー『A Different Man』、などなどユニークな待機作も。まずは、A24史上最高の評価と最大ヒットを記録した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の日本公開(2023年3月3日)を待とう。
なお、THE RIVERでは2023年の要注目作をまとめたラインナップ記事を1月1日の元旦にも掲載予定だ。2023年の映画スケジュールは、早くも充実した予定になりそう。