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アヴェンジド・セヴンフォールドのM.シャドウズ、ロック/メタルのコミュニティに「Black Lives Matter」訴える

Photo by Stefan Brending https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Avenged_Sevenfold-Rock_im_Park_2014_by_2eight_3SC7924.jpg

“新世代メタル御三家”の一角とも称されるメタルコアバンド、アヴェンジド・セヴンフォールド(Avenged Sevenfold)のボーカル、M.シャドウズが、米ヘヴィメタル系メディアのRevolverに「Black Lives Matter」を訴えるエッセイを寄せた。

主にロックやメタルを愛聴するアメリカ白人に向けたメッセージとなっている。

シャドウズは現在の状況について「この国で400年間衰退していた何かを変える機会だ」とし、一部で抗議デモが過激化していることを受け「“暴動はアンサーではない”とか“罪のない人を傷つけても何にもならない”というニュートラルなメッセージを宣言するつもりはない。そんなことは分かっているし、もしもこの悲惨な状況で、そんなメッセージにしか集中できないのなら、もっと深く考えてみてほしい」と説いている。

シャドウズは、警察の暴力と人種差別への抗議のため国歌斉唱中に膝を付いて起立を拒否したことで議論を呼んだ元NFLコリン・キャパニック選手の名を挙げ、「“抗議として間違った形だ”と言うが、実際“正しい”形の抗議とは何なのか?」「キャパニックのスタンスは無礼だという人も多いが、これは多くの人が自分たちの命を守るための、自由の在り方なのだと思う」と支持。表現の自由を尊重すると続けた。「現実はこうだ。これは“黒人の問題”ではない。“アメリカ人の問題”だ。そう考えない限り、この潮はずっと変わらない。

シャドウズは、自身の義兄弟や甥、「もう何十年も付き合っている親友」がアフリカ系アメリカ人であるとし、彼らの日常の過酷さは、聞けば「まともな人なら吐き気がする」ものだと伝える。この度の「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」という標語については、「All Lives Matter(全ての命が大切だ)」と一部で置き換えられて語られたことが議論を呼んだが、シャドウズも異議を唱え、「全ての命に価値がある、それは当たり前だ。だが今は、虐げられた命が、分け隔てない思いやりを必要としている」と訴えた。

また、「アヴェンジド・セヴンフォールドのファンにブラック・アメリカンは少ないということもわかっている」と認めた上で、「だからこそ、これを書かなくてはと思った」と打ち明ける。ロックとメタルのコミュニティがひとつになって、思いやりの心を持つべきと説き、シーンの代表格として「ブラック・アメリカンの影響のおかげで、この国が良くなったというのは疑う余地もない。チャック・ベリーはロックンロールの父だろう!」と記す。

最後にシャドウズは、過去のアヴェンジド・セヴンフォールドが連合国旗(南部白人の誇りの象徴とされ、その歴史的背景から黒人差別的な意味合いも含まれる場合がある)をバンドのモチーフのひとつとして扱っていたことも認めた上で、「批難されると思う。その言い訳はしない」と覚悟しながら、「一緒に成長させてくれた観客がいてくれたことに感謝している」と述べた。「ロックとメタルのコミュニティ、さらに言えば白人コミュニティが、心を開いて前進し、この荒んだ状況でアメリカ人の仲間たちと手を取り合うことができると願っている」と結んでいる。

M.シャドウズはカリフォルニア出身。アヴェンジド・セヴンフォールドのようなヘヴィ・メタルは白人の愛聴者が多いジャンルであり、バンドは米軍兵士の思いを歌った楽曲「Gunslinger」や、米軍基地でのライブツアーなどでも知られる。キャリアの初期には共和党支持を公言していたこともあった。この度の寄稿を受けて、SNS上では「ファンが減るぞ」などの批判も一部ありながら、「これで減るファンにはバイバイ」「書いてくれてありがとう」と支持する声が多数寄せられている

Source:Revolver

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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