米俳優ストライキ、交渉決裂 ─ 「隔たりが大きすぎる」

進行中のストライキについて、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)と全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)は、2023年10月11日付(現地時間)で交渉を中断した。両者は10月2日より再交渉のテーブルについていたが、両者の隔たりが「あまりにも大きく、これ以上生産的な方向に会話を進められない」ためという。
このストライキは7月13日より行われているもので、ストリーミングサービスの二次使用料、報酬の引き上げ、人工知能(AI)を通じた画像の不正使用に対する保護策などが争点。AMPTP側は発表した声明で、SAG-AFTRA側が求めるストリーミングサービスの「年間8,000万ドル以上」に及ぶ「視聴数に基づく追加報酬」が「耐え難い経済的負担」であると述べている。賃上げや福利厚生について行った改善オファーの具体的内容も明示されている。AIを用いた役者のデジタル・レプリカ利用制限については、事前の同意や説明なしの使用を禁じるとした。
AMPTPが提示したオファーは、先にストライキが終結していた全米脚本家組合(WGA)および全米俳優組合(DGA)が批准したものと同条件という。これらをSAG-AFTRA側が拒否したことで、交渉決裂となった。AMPTPは「我々はSAG-AFTRAが再考し、再び生産的な交渉に戻ってくださることを望みます」と締め括った。
オファーを跳ね除けたことについて、SAG-AFTRA側の声明発表が待たれる。ストライキが長引くこととなると、作品の製作やプロモーションにも直接的な影響が及ぶことになる。
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Source:AMPTP