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【ネタバレ】「アソーカ」第8話解説 ─ 激動の最終話、エンディングと今後の展開も考察

スター・ウォーズ:アソーカ 第8話
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この記事には、「スター・ウォーズ:アソーカ」第8話『ジェダイと魔女と大提督』のネタバレが含まれています。また、アニメ「クローン・ウォーズ」「反乱者たち」の内容にも触れています。

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

「スター・ウォーズ:アソーカ」第8話『ジェダイと魔女と大提督』ストーリー解説

惑星ペリディアに浮かぶスローン大提督の旗艦キメラでは、ナイトシスターたちの貨物の搬入が完了していた。キメラとシオンの目の連結作業に入り、着々と出発準備が進められる。前話でストームトルーパーの撃退に成功したアソーカたちの元へは、TIEファイター2機を送り込むこととする。

スローン大提督がグレート・マザーへ協力の感謝を伝えると、マザーはモーガン・エルズベスの働きにもねぎらいの言葉をかけた。「報われて然るべきだ」と言い、モーガンに“闇の贈り物”を授ける。スローンも見守る中、モーガンはナイトシスターの掟に従うことを宣言し、“新たな命”を得ることとなった。顔にはタトゥーのような模様が刻まれ、目が黒く染まる。

この儀式は、アニメ「クローン・ウォーズ」のシーズン4第19話『魔女狩り』で見られたものとほとんど同じものだ。アサージ・ヴェントレスがかつての師匠ドゥークー伯爵への復讐に失敗し、惑星ダソミアでマザー・タルジンから受けた儀式と宣言の言葉も一致する。

続いてモーガンは“タルジンの剣”を授かる。「クローン・ウォーズ」シーズン6第9話では、マザー・タルジンがメイス・ウィンドゥと対面した際に似た剣を使っているが、形状は異なっている。ナイトシスターにとって“タルジン”という言葉がどういう意味を持つのか気になるところだ。

スター・ウォーズ:アソーカ 第8話
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その頃、アソーカとサビーヌはT-6シャトルに乗り、エズラ・ブリッジャーが仲間としたノティ種族を引き連れて平原を移動中であった。エズラはヒュイヤンの設備を使って、自分のライトセーバーを作製しているようだ。我流を押し通し部品の在庫を荒らすエズラに、ヒュイヤンが「作り方は誰に教わった?」と聞くと、傍からサビーヌが「ケイナン・ジャラス」と答える。エズラは自分の師匠も、ヒュイヤンからライトセーバー作りを教わったことを知る。

ヒュイヤンはかつてケイナンが使ったという部品の予備をエズラに渡す。その部品はぴったりとはまり、エズラの新たなライトセーバーが誕生した。ヒュイヤンも「君は優秀な弟子のようだ」とエズラの腕を褒めるが、その言葉に後ろめたさを覚えたサビーヌは場を後にする。

サビーヌとアソーカの間に微妙な空気が流れていることをエズラも察知すると、ヒュイヤンがその訳を語り出した。マンダロアの大粛清でサビーヌが家族を失ったことで、アソーカが訓練を中断したという。ドラマ「ボバ・フェット」(2021)でディン・ジャリンにグローグーの訓練を頼まれた時も、「最も優れたジェダイでも、負の感情には勝てなかった」と断っており、師匠であり闇に堕ちたアナキン・スカイウォーカーの影が常につきまとっていたのであろう。

アソーカがシャトル上部で瞑想しているところに、サビーヌがやってくる。自分の意志で敵に星図を渡したことを知られているのを聞かされ、サビーヌはばつの悪い顔を見せる。珍しく素直に謝ると、彼女の予想とは裏腹に、アソーカが怒りの感情を見せることはなかった。

その訳について、アソーカは難しい決断を下した時に師匠のアナキンが「いつも私の味方でいてくれた」と語る。第5話でアナキンから授かった教えが生きているようだ。「この先、何が起ころうと私はあなたを支える」と明言し、サビーヌもその信頼を受け入れた。

「訓練は続けてたの?」との質問にサビーヌは「ライトセーバーさばきは上達した」と返すが、アソーカは「ジェダイの真価はセーバーの上手下手じゃない」と応える。サビーヌは「役には立つでしょ、こんな窮地では特に」と返す。“ライトセーバーはジェダイの力ではない”という教えは、「スター・ウォーズ/フォース・オブ・デスティニー」シーズン2第16話でのエズラに訓練した内容とも同じだ。対してサビーヌの応答は、ケイナンの言葉を引用している。「反乱者たち」シーズン3第15話で「小道具も時には役立つだろうが、長生きはできないぞ」という言っており、大意としてはアソーカの教えと同じではあるが、サビーヌらしい皮肉っぽい答えだ。 

和解して和やかなムードをぶち壊すかのように、2機のTIEファイターがT-6シャトルに襲いかかる。スタビライザーを損傷し、機体が落ちかけたところをアソーカとエズラがフォースで支える。サビーヌは機転を利かせ、一時的な噴射を発生させて、両翼でTIEファイターを撃墜する。だが、そのままシャトルは墜落してしまう。

スター・ウォーズ:アソーカ 第8話
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スローン大提督はT-6シャトルが飛行不能となった報告を受けた。次は地上攻撃を予期して守備態勢を整える。ストームトルーパーの志願者が集まるが、スローンは「覚悟の上だな?」と意味深な確認を取る。モーガンは「もちろん。大提督のため全員が身を捧げる決意です」と自信を持って返した。

アソーカ、サビーヌ、エズラの3人は獣に乗ってキメラへと急ぐ。エズラは敵情について、スローンが魔女を目覚めさせた後、スターデストロイヤーを再建しており危険だと伝える。しかしアソーカは、アナキンを彷彿とさせる正面突破で突撃を開始した。

キメラからの激しい砲撃が浴びせられながらも、3人はフォースを使って扉をこじ開けて要塞への侵入に成功。次に待ち受けていたのは、ナイト・トルーパー隊であった。一見、普通のストームトルーパーと変わりはなく、すぐに全滅する。しかしその頃、要塞の頂上ではグレート・マザーが謎の儀式を行っていた。すると、死んだはずのストームトルーパーが立ち上がり始めたのだ。スローンの言っていた“覚悟”とは、死んでゾンビになるという意味であった。

これもナイトシスターの既出の魔法である。「クローン・ウォーズ」シーズン4第19話で惑星ダソミアがグリーヴァス将軍に侵攻された際、同じ魔法が使われた。マザー・タルジンが長老ダカを頼り、ナイトシスターの死体を復活させ、不死の軍団(アンデッド・アーミー)を生み出している。

3人は連係プレーで順調に頂上へと近づいていく。スローンはもう少し時間がいることをモーガンに伝え、殿を務めるよう暗に促した。モーガンはそれを受け入れ、「ダソミア万歳」とつぶやくと、ストームトルーパーを率いて下の階に降りていく。

アソーカは待ち受けていたモーガンと対峙する。ドラマ「マンダロリアン」シーズン2第5話以来のリベンジマッチだ。先に頂上に到達したサビーヌとエズラの前には、ゾンビ化したデストルーパーが立ちはだかった。

3人が敵に苦戦している間にキメラは上昇を始める。サビーヌは首を締め上げられて絶体絶命となるが、ついにフォースが明確に彼女の呼びかけに応え、ライトセーバーを引き寄せることに成功する。敵の頭にひと突きして勝利する様は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)のプレトリアン・ガード戦でのカイロ・レンを想起させた。

エズラは「遅かった」と諦め気味になるが、サビーヌはフォースを使ってお互いを引き合って大ジャンプすることを提案。エズラはケイナンと度々このような連係フォースジャンプを行っていたので、そこからアイディアを得たのであろう。特に「反乱者たち」シーズン3第12話『ジオノーシスの亡霊 パート1』では、エズラの大ジャンプを見ることができる。

意を決したエズラはフォースジャンプをする。その後ろからサビーヌがフォースプッシュでダメ押しするも、わずかに届かずにあっけなく落ちていくのは何ともエズラらしい。だがちゃんとギリギリ縁につかまっており、無事にキメラ乗艦に成功した。サビーヌにも急ぐよう叫ぶ。

その頃、ナイト・トルーパーの増援に遭いながらも、アソーカは頂上まで移動していた。疲弊したことでモーガンにショートー(小刀)・ライトセーバーを真っ二つにされてしまう。途中でライトセーバーを1本失うのは、前回の戦いと同じ流れだ。

キメラが上昇を続ける中、アソーカはモーガンと戦いながら1人置き去りになったかと思われた。だがサビーヌはキメラには乗っておらず、アソ-カを助けに来る。サビーヌがナイト・トルーパー隊を引きつけ、アソーカはついにモーガンを仕留めた。スローンは確実に敵を乗らせないため、要塞を破壊するよう命令する。地面が崩れ落ちるところを、ヒュイヤンが修理を完了させたT-6シャトルで受け止めた。一行は全速力でスローンを追いかける。

スター・ウォーズ:アソーカ 第8話
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そこにスローンから通信が入る。「君は戦うに値する敵だ」と戦いぶりを称えるも、「君のような浪人にこそ、ここはふさわしい」「今日私は勝利した」と言い残し、ハイパースペースの彼方に消えるのであった。

残された2人は、ノティたちに歓迎される。ふと鳥の鳴き声が聞こえたかと思うと、コンヴォアらしき鳥がたたずんでいた。これは恐らくモライであろう。銀河を超えてアソーカを見守っていたのだ。モライについては以下の記事で解説している。

解説記事

他にも残された人がいる。敗走したシン・ハティは落ち武者の集落の元へ行き、ライトセーバーを掲げる。一方で「人を駆り立てる何か」を探す師匠のベイラン・スコールは、遠くを指差す人型の巨像の手の上に立っていた。巨像はザ・ワンズを模して建造されたものであろう。ベイランが立つ真ん中がファーザー、右側にサン、左側のドーターの頭が欠けている点が気になるところだ。

無事に元の銀河に戻ったスローン大提督。最初の行き先は不気味に光る赤い惑星、ナイトシスターの星であるダソミアだった。グレート・マザーはこの地でナイトシスターの再興を目指すのだろう。

ヘラが乗るホーム・ワンにジェダイシャトルが到着する。降りてきたのはストームトルーパー。皆が警戒する中、チョッパーが一目散に駆けつける。ヘルメットを取ると、その正体はエズラであった。倒したストームトルーパーのアーマーを盗んでやり過ごした後、ベイランのシャトルに乗って脱出に成功したようだ。

エンディングは新銀河に取り残されたアソーカとサビーヌの様子。サビーヌが「荷造りが終わる」と言っているので、ノティたちの元には留まらず旅に出るようだ。スローンは逃したが、エズラはいるべき場所に帰ることができたと2人は話す。

サビーヌが地平線に何か光を見る。ただの影と答えるが、アソーカの視線の先には確かにマスターの姿があった。モライだけでなく、フォース・ゴーストとなったアナキンも弟子と孫弟子の2人を見守っていたのだった……。

「アソーカ」総括と今後の展開予想

さて、全8話の「スター・ウォーズ:アソーカ」が完結した。新銀河に関する謎や、登場人物の過去についても明らかになっていない部分はまだまだあるが、ストーリーとしてはアソーカとサビーヌが阻止に失敗し、スローンが“帝国の後継者”として元の銀河に帰還する、ということで決着がつけられた。

序盤では周囲に気を遣わせるほど険悪だったアソーカとサビーヌであったが、アナキンの教えを踏まえて新たな師弟関係を結ぶことができ、2人は心の平安を得た。最悪の状態でもお互いを信じていられる関係ほど、強固な絆はないだろう。だがエズラやヘラたちに、スローンという恐ろしき敵を丸投げしてしまっている状況に変わりはない。

今後予想される展開としては、スローンがパレオンらシャドー評議会と合流して帝国残党が息を吹き返し、エズラ率いる新共和国が対抗していくという流れであろう。ルーク・スカイウォーカーや、ディン・ジャリンとグローグーの助太刀もあるかもしれない。

新銀河に残された組の今後についても気になるところである。一つ言えることは、本話で明確にペリディアとザ・ワンズのつながりが提示されたことで、惑星ロザルにあった“はざまの世界”へのポータルが隠されていたジェダイ聖堂のような神秘的な空間が、ペリディアにあってもおかしくない状況がお膳立てされているということだ。アソーカたちの帰還や、銀河を超えてシンクロする形での戦いなどもあり得るだろう。

本作の続編が、まだ公式発表されていない「アソーカ」シーズン2となるのか、デイヴ・フィローニ監督がメガホンを取る新作映画となるかは定かではない。まずは、本作に近い時系列を舞台としたジュード・ロウ出演のドラマ「スケルトン・クルー」の配信が予定されている。

「アソーカ」はディズニープラスにて独占配信中。

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。

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