『AKIRA』実写版、タイカ・ワイティティの監督復帰は不透明「2年後のことはわからない」 ─ 『スター・ウォーズ』は「超やりたい」

『マイティ・ソー/バトルロイヤル』(2017)『ジョジョ・ラビット』(2020)のタイカ・ワイティティ監督が、ただいま製作保留となっている、大友克洋の同名漫画のハリウッド実写映画版『AKIRA(原題)』について語った。今後、ワイティティが企画に復帰するかどうかは本人にもわからないようだ。
ワーナー・ブラザースは、2019年5月下旬に『AKIRA』の製作を発表。しかし、わずか約2ヶ月後の2019年7月中旬に企画の無期保留を決定した。当時、監督に就任していたワイティティは脚本作業とキャスティングに入っていたが、一連のプロセスの難航が保留の主な理由とみられる。現在、ワイティティは『マイティ・ソー』シリーズ第4作『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)』の準備に着手しているようだ。
米Varietyにて、ワイティティは『AKIRA』について「全体的に保留となりました」と明言している。やはり準備が遅れたことで、その後の予定との衝突が避けられなかったのだ。
「(製作を)延期し続けなければならず、それが『マイティ・ソー』のスケジュールにぶつかったんです。そちらは動かせなかったので、最終的に(『AKIRA』を)2年間後ろにずらすことになりました。『マイティ・ソー』の後になりますが、僕は2年後の自分がどうなっているのか知らないし……ぶっちゃけ2日後どうしてるかもわかりませんしね。(『AKIRA』は)最終的に実現されるでしょう。そこに僕が関わっているかはわかりませんけど。」
ワイティティは、いくつものプロジェクトを抱えながら実話映画『Next Goal Wins(原題)』の撮影を終了し、『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』に着手しているところ。『ラブ&サンダー』の脚本には、Netflix映画『サムワン・グレート ~輝く人に~』(2019)の脚本・監督を務めたジェニファー・ケイティン・ロビンソンが参加したことも伝えられており、ただいま執筆作業のまっただなかのようだ。
さらに先日、ワイティティは『スター・ウォーズ』新作映画への監督就任をめぐってルーカスフィルムとの契約交渉に入ったと報じられている。こちらの現状について、ワイティティは「良い物語があればいいな、という言い方になります」と答え、「『スター・ウォーズ』の話し合いなら、1996年に友人とやりましたよ」とはぐらかした。しかし、「そういう話は一切ないということですか?」と問われると、“何か”の存在は否定していない。
「『スター・ウォーズ』について、僕がいろんな人たちと一緒に過ごしているのはご存知ですよね。何やら、大きな話し合いはありますよ。超やりたいと思ってます。もしも良い企画で、理にかなっていれば、僕はどんな映画でもやりたい。キャリアにとって自殺行為にならないようなものであれば。」
ワイティティは『スター・ウォーズ』初のドラマシリーズ「マンダロリアン」にIG-11の声優として出演し、シーズン1の最終話では監督を務めて絶賛を浴びた。『ジョジョ・ラビット』がアカデミー賞の脚色賞に輝き、さらに引く手あまたとなるであろう現在、「2年後の自分がどうなっているのか知らない」というコメントは説得力十分だ。
『AKIRA』の企画保留が決定したのち、ワイティティは自身の再登板について「もちろん、今でもやりたいと思っています」と述べ、ワーナーもワイティティを再び迎える意向とされていた。しかし、ワイティティが本当に復帰できるのか、その時にスタジオ側がどういう状況にあるかは、もはやまったくの未知数だ。