「キャシアン・アンドー」のドロイドB2EMOはいかに誕生したか ─ ヨーダやC-3POとの興味深い共通点

『スター・ウォーズ』の物語に欠かせないもの、“相棒のドロイド”はその一つであろう。ディズニープラスのドラマシリーズでも多くの新たなるドロイドが登場してきた。「マンダロリアン」(2019‐)ではディン・ジャリンとIG-11が共闘し、「オビ=ワン・ケノービ」(2022)では幼きレイアがL0-LA59ことローラを親友のように連れていた。
最新作「キャシアン・アンドー」(2022‐)でもB2EMOが登場し、キャシアンとの固い絆を見せてくれた。そんなB2について、同作の製作総指揮を務めたトニー・ギルロイが誕生秘話から、キャラクターを創り上げていく過程を一連のインタビューで明かしている。その話からは、チューバッカやC-3PO、ヨーダなど、既存の『スター・ウォーズ』キャラクターたちとも通じる点を垣間見ることができる。
B2EMO 誕生物語
『スター・ウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカスは、愛犬のインディアナをモデルにハン・ソロの相棒チューバッカのイメージを思いついた。B2のイメージも同様に、“人間の親友”である「犬」であったという。米Colliderとのインタビューでギルロイは、B2についてこう語っている。
「“家族の飼い犬”にしようと思いました。飼い主は高齢で独り身の女性で、その犬と暮らしているんです。飼い犬にただただ愛されているんです。そこから、老犬を家で飼うというのはどういう感じか、と考えて(コンセプトを)書き上げていったと思います。監督をすることになったコロナ禍前の時期から打ち合わせを開始し、スケッチを描いて、(プロダクションデザイナーの)ルーク(・ハル)と大きさ、感触、ボロさ具合、機能について話し合いました。特に機能については、廃品回収支援用のドロイドが何をするのかも話しました。それぞれの装置がなぜ存在し、何の機能を持っているのかと。」

B2が様々な機能を活用してアンドー夫妻との廃品漁りで活躍している姿は、第3話「報いの音」で見ることができる。
キャラクターのイメージを固めた後は、撮影用の実物が製作された。デザインを担当したのは、『スター・ウォーズ』続3部作以降、特殊視覚効果を手がけてきたニール・スキャンラン率いるクリーチャー部門のチーム。数枚のコンセプトアートを参考に、素早くデザインを仕上げたという。完成したプロトタイプを見た時を思い起こし、ギルロイはStar Wars.comのインタビューで“一目ぼれ”だったと明かしている。
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