アンドレア・ボチェッリ、ミラノの大聖堂で「アメイジング・グレイス」歌う ─ 祈りの無観客パフォーマンス、世界が目撃

「Time To Say Goodbye(Con Te Partirò)」などで知られるイタリアのテノール歌手アンドレア・ボチェッリが、2020年4月12日(日本時間13日午前2時)の復活祭の日曜日に、ミラノの象徴であるドゥオーモ大聖堂から無観客の中でパフォーマンスを行った。この模様はYouTubeにて世界同時生配信され、世界中の人々がリアルタイムで目撃した。
音楽がもたらす愛、癒し、そして希望のメッセージを世界に届けるパフォーマンスが行われたのは、ミラノの歴史的建造物であるドゥオーモ大聖堂。ミラノ市と大聖堂の招聘によるもので、首席司祭ヴェジェランダ・ファッブリカ・デル・ドゥオーモの尽力によって実現の運びとなった。

アンドレア・ボチェッリ『MUSIC FOR HOPE』
日程 | 2020年4月12日(復活祭の日曜日 ※現地時間) |
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会場 | イタリア・ミラノ ドゥオーモ大聖堂 |
演奏曲目 | 1. 天使のパン(フランク) 2. アヴェ・マリア(J.S.バッハ/グノー) 3. 聖なるマリアよ(マスカーニ/メルクリオ編) 4. 主なる神~《小ミサ・ソレムニス》より(ロッシーニ) 5. アメイジング・グレイス(伝承曲) |
大聖堂の専属オルガン奏者エマヌエーレ・ヴィアネッリによる伴奏でボチェッリが歌ったのは、この日のために選ばれ、独唱とオルガンのために編曲された楽曲の数々。ロックダウンが続く街の静寂の中、強く心を打つ歌声でパフォーマンスは始まり、「アヴェ・マリア」や「アメイジング・グレイス」、さらには復活祭の日にふさわしい宗教曲が披露された。なお、今回の音源はストリーミングサービスにてデジタルリリースされる予定だ。

アンドレア・ボチェッリ コメント
この未曾有の体験は、私にとって深い意味のあるものでした。この思いを私は胸に抱き続けることになるでしょう。今年の聖なる復活祭が、こうして人類緊急の事態に見舞われたことは大きな痛みです。が、それゆえにその意味はより大きく、実りをもたらすものとなり、私にとっても生涯忘れ得ぬ日となりました。同じ場所に、それぞれが一人で、そこにいる。それはまさに神を前にした人間一人一人の姿そのものです。と同時に、何百万もの人々の祈りの声を、一つの声として表現する立場に私がいられたこと、その喜びに深く感銘を受けています。愛は神から贈られるものです。それをいかに広めるか、それこそが人生の目的そのものです。またしても私は人生に生かされていることを感じています。この素晴らしい機会を可能にしてくださった、ミラノ市とドゥオーモ、そしてこの企画に、地球を抱擁することに賛同してくださった、天からの恵みによってもたらされる勇気と信頼、希望を信じる人々の信仰心に感謝します。