『ホーム・アローン』劇中のギャング映画、実在しない ─ キャプテン・アメリカ役クリス・エヴァンスも衝撃

突然だが、クリスマス映画の名作『ホーム・アローン』シリーズの劇中に登場するギャング映画は実在しない。ご存知だった方も、そうでなかった方も、考えたことすらなかったという方もいることだろう。かの名ゼリフ「釣りは取っとけ、ブタ野郎(Keep the change, filthy animal.)」が登場する、あの映画のことだ。
『ホーム・アローン』(1990)でケビンが大人を騙すために使ったギャング映画『Angels With Filthy Souls』は、同作を手がけたクリス・コロンバス監督がモノクロで撮影したもの。ところが2018年のクリスマス、ハリウッドのスターたちがこの事実を前にざわつくという現象が発生した。
最初に指摘したのは、『ソーセージ・パーティー』(2016)や『スティーブ・ジョブズ』(2015)などで知られるセス・ローゲン。脚本家やプロデューサーとしての才能も発揮する、ハリウッド随一のクリエイターである。
クリス・エヴァンス、『スパイダーマン:スパイダーバース』監督も衝撃
My entire childhood, I thought the old timey movie that Kevin watches in Home Alone (Angels With Filthy Souls) was actually an old movie.
— Seth Rogen (@Sethrogen) 2018年12月25日
「子どもの頃、『ホーム・アローン』でケビンが観ている古い映画(Angels With Filthy Souls)は実在する昔の映画なんだとずっと思っていました。」
2018年12月26日12時現在、セスのツイートには12,000件近くのリツイート、77,000件以上の「いいね」が寄せられている。『Angels With Filthy Souls』が実在の映画だと信じられていたことが、この激しいリアクションからは察せるというものだろう。
セスの投稿には、『アベンジャーズ』シリーズでキャプテン・アメリカ役を演じているクリス・エヴァンス、『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019年3月8日公開)の脚本・監督を務めたロドニー・ロスマン、そして『アンクル・ドリュー』(2018)や『SING/シング』(2017)のニック・クロールも衝撃を隠していない。
IT’S NOT???? https://t.co/opPZtnaehs
— Chris Evans (@ChrisEvans) 2018年12月25日
クリス・エヴァンス「実在しないの????」
I didn’t know it until you just said this.
— rodneyrothman (@rodneyrothman) 2018年12月25日
ロドニー・ロスマン「君がこれを書くまで知らなかった。」
It isn’t? (Dead serious)
— nick kroll (@nickkroll) 2018年12月25日
ニック・クロール「本物の映画じゃないの?(超真顔)」
『Angels With Filthy Souls』の元ネタとなっているのは、1938年のギャング映画『汚れた顔の天使』。原題は『Angels with Dirty Faces』なので、『ホーム・アローン』は直接的なパロディとして劇中作品を登場させていたわけだ。『汚れた顔の天使』風にタイトルを訳せば、『超汚れた魂の天使』となるだろうか。
また、続編『ホーム・アローン2』(1992)に登場するギャング映画は『Angels With Filthy Souls』の続編となる『Angels with Even Filthier Souls』。こちらは日本語訳すると『さらに超汚れた魂の天使』となる。「あぶない刑事」の続編が「もっとあぶない刑事」なのと同じ発想だ。
ところで2018年12月、マコーレー・カルキンがケビン役を再演した「Googleアシスタント」のCMにも『Angels With Filthy Souls』は登場している。こちらでは『ホーム・アローン』のセルフパロディ・シーンに使用されており、もはやパロディとセルフパロディが混在するカオス状態となっていた。