リュック・ベッソン最新作『ANNA/アナ』6月5日に公開決定 ─ 「5分おきに騙される」巧妙かつ複雑なスタイリッシュ・アクション

『ニキータ』(1991)『レオン』(1995)のリュック・ベッソン監督最新作、『ANNA/アナ』の公開日が2020年6月5日(金)に決定した。当初は5月8日(金)公開予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大予防のために公開が延期されていた。このたび、リュック・ベッソン監督のインタビュー映像も到着している。
1990年、ソ連の諜報機関KGBに造り上げられた最強の殺し屋アナは、ファッションモデルやコールガールなどの顔を持ち、国家にとって危険な人物を抹消するという使命を担っている。明晰な頭脳とトップクラスの身体能力を駆使し、国家間の争いを左右する一流の暗殺者へと成長したが、アメリカ・CIAの罠にはまり、アナは捜査官レナードから取引を迫られるのだった。最大の危機を前に、アナはさらなる覚醒を果たし、KGBとCIA双方の脅威と化す……。
リュック・ベッソン監督らしいアクションが随所にちりばめられた本作は、エンターテインメントでありながら、巧妙かつ複雑な構造を有している。ベッソン監督は、物事を見たままに受け取れない現代の特性に触れつつ、「とても興味深く新しいと思った。出来事がことごとく事実と違って見える、そんな映画を作った」と話す。「観客は5分おきに騙される」というのだ。「最後には何が事実か分からなくなる。アナはマトリョーシカのように、内面に幾つもの顔を持っている。どれが本当の顔か分からない」。
本作の見どころについて「良質なアクションはある」と語りつつ、ベッソンは観る者にも知性が必要だと不敵な笑みを浮かべる。「刺激され、能力を試されることをそのまま楽しんでほしい。私のように刺激的で挑戦的な映画が好きなら、絶対に満足するだろう」。

主人公アナを演じるのは、ロシア出身のスーパーモデル、サッシャ・ルス。16歳でランウェイデビュー、シャネルやディオール、ヴァレンチノなどハイブランドのモデルを務めてきたサッシャがリアルかつ壮絶なアクションに挑んだ。共演者には、CIA捜査官レナード役で『ダンケルク』(2017)のキリアン・マーフィ、アナの同胞アレクセイ役で『美女と野獣』(2017)のルーク・エヴァンス、そしてKGBの上司オルガ役で『クィーン』(2006)のヘレン・ミレン、アナの元カレ役で『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』(2018)のアレクサンドル・ペトロフという豪華な顔ぶれが揃った。
ベッソンいわく、捜査官レナードを演じたキリアンの演技があまりに役に入り込んでいたため、アナ役のサッシャはキリアンに怯えていたという。一方、アレクセイ役のルークは心を許していたとか。監督の目には、サッシャとルークがKGB、キリアンがCIAという劇中の関係そのままで面白かったとか。
映画『ANNA/アナ』は2020年6月5日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。