パラドックス・スリラー『アンテベラム』日本公開決定 ─ ジャネール・モネイ主演、『ゲットアウト』『アス』製作者が再び人種問題に切り込む

『ドリーム』(2017)『ハリエット』(2019)などのジャネール・モネイ主演、パラドックス・スリラー『Antebellum(原題)』が、『アンテベラム』として2021年秋に日本公開されることが決定した。あわせて、ポスタービジュアルと場面写真が到着している。
『ゲット・アウト』(2017)『アス』(2019)などのプロデューサー、ショーン・マッキトリックが新たに放つ恐怖作は、公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカ(ジャネール・モネイ)が、突如として奈落の底に突き落とされていく様を描きながら、誰もが意表を突かれる仕掛けが用意されている。それは外界と隔絶した極限状況下に囚われているエデン(ジャネール・モネイ)という女性をめぐるもうひとつの物語。とある広大な綿花畑で重労働を強いられているエデンは、あらゆる自由を剥奪された奴隷の身だ。
理不尽な罠に絡め取られてしまうヴェロニカと、軍服姿の傲慢な白人に常に監視されているエデン。なぜ彼女たちは狙われ、監視され、捕らえられてしまったのか。彼女たちを脅かす正体とは何なのか。そして、パラドックスな迷宮のごとき映像世界の果てに、あらゆる思考が吹っ飛ぶ衝撃の“真実”とは?
監督・脚本を務めたのは、新進気鋭のジェラルド・ブッシュ&クリストファー・レンツ。人種差別問題などに関する公共広告や、ドキュメンタリーを製作してきたふたりが、米国を揺るがしている人種や政治の分断という題材をこのうえなく大胆にフィーチャーし、スリラー・ジャンルの常識をも破壊する問題作を完成させた。

公開された場面写真では、ヴェロニカが何かにおびえる顔、そしてその背後からは何者かの手が今まさに彼女の口を押さえようと忍び寄っている様子を捉えている。またポスタービジュアルは、ジャネール・モネイの不安げな表情を浮かべた顔が、黒背景の中央に大胆にレイアウトされたデザイン。その様子からは、暗闇の中に引きずり込まれながら彼女が我々に助けを求めているような感覚を受けるが、血が滴る不気味な蝶に口をふさがれ、まるで彼女の“言葉”が封じ込まれているようだ。さらにキャッチコピーの「この悪夢は、本物」が一層の不気味さを放っている。

『アンテベラム』は2021年秋、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショー。