金庫破りのプロが『アントマン』スコットの強盗シーンを見たら?似たような経験を告白

今でこそ最強の敵サノスから世界を救ったヒーローとして讃えられるアントマンことスコット・ラング。昔はなかなかのワルで、悪党仲間たちと一緒に強盗を働いたこともある。電気技術者らしく色んなガジェットを使いこなすなど金庫破りはお手のものであったが、実際のところ彼の強盗スキルは高かったのだろうか。
その道のプロが映画のさまざまなシーンを評価する米Insiderの人気企画に登場したのは、金庫施錠を専門とするプロの技術者、チャーリー・サントーレ。映画『アントマン』(2015)の強盗シーンを事細かに観察し、10点満点評価で3点をつけている。やはり本物のプロから見ると、気になる点があるようだ。
対象のシーンは、スコットが指紋認証を突破するため、ドアノブからセロハンテープで指紋を収集する場面。スコットはテープの上にリングを置き、そこに固形材を流し込んで指紋サンプルを作成する。
「彼はドアについた指紋をテープで取りましたよね。あれは清掃係の女性のものかもしれないですよ」と訝しげなサントーレは、スコットが指紋サンプルで認証をクリアする様子を見ると「少し頭痛がする」と首を傾げた。「もしテープで取り出した指紋を裏返して、リングを置き接着剤をつけてしまったら、逆さまの指紋になってしまいませんか?」
鋭く細かな指摘だが、サントーレにとって気になる点は他にもある。指紋認証に成功したスコットは、金庫の扉の施錠にトライ。分厚い扉にドリルで穴を開けると、水を注入し、急速に冷凍させる。すると金属は膨張し、爆発。金庫破りに成功した。
ここでも異を唱えるサントーレ。「画面に映ったのは、金庫の内側のボルトの動きとドアの板です」と解説を加えながら、「この場合、金庫の扉には薄い裏板がついています。金庫の扉まで膨張するというのは全くの空想で、扉の前に裏板が吹っ飛ぶでしょう」と指摘している。
一方、サントーレによれば、金庫の扉に穴を開ける際にスコットが用いたドリルは本物だという。「これは、穴をドリルする時に圧力をかけるために使われるStrongArm MiniRigというものです」と工具の名前まで瞬時に言い当ててしまうサントーレ氏は、「これは間違いなく正確です」と続けている。同氏の解説に基づけば、スコットは手口を熟知した強盗犯であることには変わらず、少しだけ詰めが甘い。しかし、この日は運が味方してくれたということだろう。
この後、金庫破りに成功したスコットを待っていたのは、お宝ではなくまさかのアントマンのスーツだった。実はサントーレにも、スコットと似たような経験があったという。
「レンタルビデオ屋にあった金庫を幾つか開けた時、アストログライドのローションとコンドーム、卑猥な写真があったんです。店長が誰かと戯れていたのかもしれないですが、あれは予想外でしたね。」
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