『アクアマン2』アンバー・ハードの出番一部カット主張、プロデューサーが否定 ─ 代役検討の事実は認める、理由は「化学反応の欠如」に

『アクアマン』シリーズ最新作『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題:Aquaman and the Lost Kingdom)』で出番を一部カットされたことを訴えていたヒロイン“メラ”役のアンバー・ハードの主張を、米ワーナー・ブラザースでDCフランチャイズを管轄するウォルター・ハマダ氏が退けた。一方、かねてより報じられていたメラ役の代役が検討されていたことについて、ハマダ氏は事実として認めている。
現在、米バージニア州フェアフェックス郡裁判所では、元夫婦のジョニーデップとアンバー・ハードの間で名誉毀損裁判が行われている。2022年5月中旬、証言台に立ったハードは、『アクアマン』続編での出演パートについて当初の予定から減らされたことを明かし、「映画に残留するために私は戦わなければいけませんでした」と主張していた。その約1週間後、本件に関わる証人として、DCフランチャイズを率いるウォルター・ハマダ氏が召喚。米The Hollywood Reporterによれば、ハマダ氏は次のように証言したという。
「彼ら(ジェイソン・モモアとハード)には化学反応が欠けていました。主演の2人に化学反応が生まれないというのは珍しいことではなく、いわゆる映画のマジック的な、編集に依るところもあります。素敵な音楽によってパフォーマンスに魔法を加え、化学反応を創出するみたいな。映画を観た時は、素晴らしい化学反応が起こっていたと感じるでしょう。でも、ポストプロダクション(撮影後作業)の過程では、骨折りな作業がたくさんありました。時に、(俳優)2人をスクリーンに置くだけで上手くいく時もあります。それこそ映画スターの本分です。見ただけでそれは分かるものです。その化学反応が当時感じられなかったんです。2人の間に化学反応が欠けていたので、今作(続編)は更に大変でした。」
こう語るハマダ氏だが、ハードの論点である出番を減量したかどうかについては否定している。ハードによれば、メラの出番をめぐり脚本に変更が加えられたというが、ハマダ氏は「減らしていない」と反論。『アクアマン』続編がアーサーと兄オームの「バディコメディ」として製作される計画だったことを明らかにした上で、1作目のような主演2人のロマンス映画となる構想は無かったと述べた。
なお、同裁判の法廷には、エンタメ業界のコンサルタントとして『アクアマン』続編にも携わったというキャスリン・アーノルド氏も証人として呼ばれ、ハードの代役検討が行われていた事実が証言された。ここでアーノルド氏は、ハードの続投には主演のジェイソン・モモアとジェームズ・ワン監督が大きく貢献したことを明かしたという。
本件を巡ってはいまだに判然としない部分も多いが、複数の証言により全体像が浮かび上がってきている。今後の展開を注視したいところ。