『アバター』にスタジオジブリ作品の影響あった ─ ジェームズ・キャメロン監督が明かす

『アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター』の公開を受けて、巨匠ジェームズ・キャメロン監督が、スタジオジブリ作品が『アバター』(2009)に与えた影響を明らかにした。
3D映画として公開当時から大きな話題を呼んだ『アバター』は、細部まで作り込まれた独自の世界観とデザインが作品の根幹を支えている。キャメロン監督は、このたび「インスピレーションを受けた日本のコンテンツは?」との質問に「スタジオジブリ作品ですね」と答えた。
「(スタジオジブリの作品には)マジカルなリアリズムがあります。少しだけ現実と離れているような感じ。ジブリの作品とアーティストを、僕は以前から尊敬してきました。(日本の)ハードな、よりエッジの効いた作品は『アバター』には関係しなかったけれども、スタジオジブリの作品には楽しませてもらってきたんです。」
もっとも、キャメロンは「(ジブリ作品を)そっくりにコピーするわけではありません」とも強調した。影響を受けたのは、まさしく共通する「夢のような美しさを感じさせる、そのフィーリングの部分」。宮崎駿や高畑勲らが生み出したジブリ作品の豊かなアニメーションが、実写やアニメ、手描きやCG、また日本とアメリカという垣根を超えて、大きなインスピレーションを与えたのだ。

今回のリマスター版では、そうしたこだわりの世界観を、より美しい映像と音響で味わうことができる。キャメロン監督は「公開当時にはなかった 4K、そして9.1サウンドにリマスターされていますし、ところどころに高フレームレートを使用して3Dのクオリティも向上しています。HDRにリマスターしているので、より美しく、音も良くなっている」と語った。
なお、2022年12月16日(金)には待望の最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が日米同時公開となる。これを控えた『アバター』の再上映を受けて、キャメロンは日本の観客にもメッセージを送ってくれた。
「『アバター』を公開した時、日本のみなさんは温かく受け入れてくれましたし、この映画をとても愛してくれました。劇場で観るという特別な体験をみなさんが覚えていてくれて、劇場で、再びその思い出と繋げてくれることを願っています。そして本作を配信やブルーレイでしか観ていない若い世代の日本のみなさん、ぜひ劇場でパンドラを経験してください。」
映画『アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター』は、2022年9月23日(金・祝)から10月6日(木)まで2週間限定で劇場公開中。