『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア』は「シリーズを急旋回」、壮大かつ小さな物語に

映画『アントマン』シリーズは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でも異色の輝きを放つ。ミクロの量子世界を題材にしながら、主人公のスコット・ラングと家族に焦点を当てる、ふたつの意味で小さいスケールと独特のコメディタッチが最大の魅力だったのだ。
ところが第3作『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア(原題)』は、今までとは勝手が違っているらしい。フェイズ5の第1作として公開される本作は、2025年公開『アベンジャーズ/カーン・ダイナスティ(原題)』にも繋がると思しきヴィラン、征服者カーン(ジョナサン・メジャース)の初登場作であるのだ。
米Entertainment Weeklyにて、シリーズを手がけるペイトン・リード監督は「『アントマン』の3作目を作り、3部作をやれることに感激しました。もし実現するのなら、(従来とは)違うことをやりたいと思っていました」とコメント。「(シリーズを)急旋回させ、とても壮大な映画を作りたかった。その一方で、家族の関係や、スコットとホープ(・ヴァン・ダイン)、娘のキャシーの物語を進めたかったんです」。
サンディエゴ・コミコン2022で判明した情報によると、アントマン/スコット・ラングは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)ののちに自伝本を執筆し、いまや世間の人気者。しかし娘のキャシーとの関係性はうまくいっておらず、ホープやハンク・ピム、ジャネット・ヴァン・ダインともどこかギクシャクしている。ところがそんな中、一家全員が量子世界に引きずり込まれてしまうのだ。
本作のキャシーは『エンドゲーム』からも成長し、いまや18歳となった。リード監督いわく「スコットは大人になった娘との関わり方がわかっていません。『エンドゲーム』の事件のせいで彼は5年という月日を失ったから」。新たにキャシー役を演じるキャスリン・ニュートンも、“現在”のキャシーをこう説明している。
「キャシーは変化しています。5年後のキャシーは、しばらく父親に会っていないし、少しだけ成長しているんです。だからスコットは混乱している。キャシーは私に似て、いつも失敗ばかりですね。彼女は父親を愛しているけれど、そのことを認められない。愛しているのに、です。そのことが核心にあり、そこをみなさんに共感してもらえればと願っています。」
スコットとキャシー、家族の関係を掘り下げつつ、本作は宇宙の巨悪たる征服者カーンとアントマンを対決させる。リード監督は「今回の作品は大きくも小さくもなっている」と強調し、昔からコミックで親しんできたカーンの登場にも「我々のヒーローとカーンを対決させられるのは非常に大きいことでした」と力を込めた。アントマン役のポール・ラッドも「今回は描く範囲が従来とは違います。カーンとの対決は新しい要素をもたらすものだし、キャシーも大きくなった。過去2作の内容を掘り下げ、蘇らせながら、まったく新しいものにしたいと思いました」と語っている。
映画『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア(原題)』は2023年2月17日に米国公開予定。
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Source: Entertainment Weekly