『ダークナイト』クリスチャン・ベール、『ジョーカー』を「絶対に観たい」 ─ ホアキン・フェニックスを「最高の俳優」と賞賛

DCコミックスの誇る最狂のヴィラン、ジョーカーの誕生を新解釈で描く映画『ジョーカー』の公開が近づいている。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)に輝いた本作は、高評価のかたわら、一部では激しい拒否反応を生む賛否両論ぶりを見せている。米国では「現実の暴力を誘発する可能性がある」との声まで上がり、早くも社会現象と化した感さえあるのだ。
そんな新生ジョーカーの物語を、ヒース・レジャー演じる“伝説のジョーカー”と共演した『ダークナイト』(2008)のクリスチャン・ベールはどう捉えているのか。トロント国際映画祭では、来たる新作とジョーカー役ホアキン・フェニックスへの期待がストレートに語られていた。
「ホアキンは現在最高の俳優の一人です。それに僕はヒースと一緒に仕事をしていますから……つまり、あの演技に続いて(ジョーカー役を)やるというのは勇敢なことだと思う。ホアキンはいつも面白い選択をしますよね。絶対に観たいですよ、彼らの幸運を祈っています。」
実はベールとホアキンに共通するのは、ともにDCのキャラクターを演じるべく大幅な体重変動に挑んだこと。『バットマン ビギンズ』(2005)で初めてバットマンを演じる直前、ベールは『マシニスト』(2004)の撮影で体重を54キロほどにまで減らしていたため、半年間で30キロ以上の増量を実現させた。一方、ホアキンは『ジョーカー』のため、約3ヶ月で約23.5キロもの過酷な減量に取り組んだのである。

ただし、ベールが「ヒースの後にジョーカーを演じるのは勇敢なこと」と話した一方で、ホアキンや『ジョーカー』のトッド・フィリップス監督は、そうしたプレッシャーからはある程度解放されていたようだ。ヴェネツィア国際映画祭の記者会見で、ホアキンは「自分たちなりの方法でアプローチするつもりだったので、過去に演じられたジョーカーは参考にしなかった」と言い切っているのである。
『ダークナイト』でジョーカーを演じきったヒースは、同作の公開を待たずにこの世を去ったが、その圧倒的な演技を称えられて第81回アカデミー賞で助演男優賞を受賞。現在、ホアキンも『ジョーカー』で「キャリア史上最高の演技」との絶賛を浴びており、アカデミー賞ノミネートへの期待も高まっている。アカデミー賞で、12年ぶりにジョーカー俳優がオスカー像を手にすることも十分にありうるのだ。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー。
Sources: ET Canada(1, 2), The New York Times