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『バービー』グレタ・ガーウィグ監督来日インタビュー「次代の女性監督に繋ぎたい」 ─ 騒動にも言及

バービー
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング主演、人形の世界をポップでカラフルに描く『バービー』が、2023年8月11日より日本公開になる。このため、監督を務めたグレタ・ガーウィグが来日。THE RIVERの単独インタビューに応えた。

この取材が行われたのは8月1日で、インタビュー開始の直前までに、米ワーナー・ブラザーズより米公式X(Twitter)アカウントによる不適切な投稿への謝罪文が発表された。このインタビューの中で、筆者がこの騒動に対する所見を尋ねると、グレタは神妙な面持ちで次のように回答した。

「ワーナー・ブラザースが謝罪したことは、私にとって非常に重要なことです。発表がなされたことは、とても重要なことだと考えています。」

『レディ・バード』(2017)『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)など、みずみずしくも力強いタッチで世界の心を掴む時代の寵児は、『バービー』にどのような想いを込めたか。グレタとの対話をノーカットでお届けする。

『バービー』グレタ・ガーウィグ監督 単独インタビュー

バービー
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

──グレタさん、初めまして。さて、いろいろなことがありましたね。まず、全米俳優組合のストライキが起こり、マーゴット・ロビーとアメリカ・フェレーラの来日が叶わなくなってしまいました。来日について、彼女たちとは話しましたか?

はい。彼女たちも来たがっていました。でも、私が監督として代表することに。ただ、マーゴットが(海外のプレミアで)着ていたような衣装は、私には着れませんって伝えました(笑)。マーゴットから衣装を貸してあげるって言われたけど、とてもじゃないけど着れないです、って(笑)。

──(笑)。とにかく、あなたが来てくれて嬉しいです。来日ありがとうございます。

こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。

──日本は初めてですか?

はい、初めてです。日本は素晴らしい国。本当はもっと長く滞在したいです。日本映画も大好きなんです。ここに来られて、本当に興奮しています!

──あまり長くはいられないのですね?

そうなんです。実は今週の金曜(8月4日)に誕生日を迎えるので、誕生日パーティーのために帰国しないといけないんです。

──おぉー、おめでとうございます!

ありがとうございます。金曜日で40歳になるので、大きなバースデーになりそうです。

(帰国後のグレタの誕生日の様子が公開された。出演のライアン・ゴズリングらがサプライズで駆けつけて劇中のダンスを披露した。)

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──日本でやりたいことはありますか?

昨日到着したんですけれど、すでに外出することができて、昨晩は素晴らしいディナーを頂くことができました。今夜もまた素敵なディナーをいただくことになっています。もっと出歩いて散策したいので、明日は時間を取れたらと思います。

バービー
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

──それは良いですね。つい先ほどゲリラ豪雨もありましたが、今は晴れてよかった。

すごい雨でしたね!見ていました。稲光もすごかった。なんだかドラマチックでした。これで涼しくなるといいですね。ニューヨークの夏に似ています。ニューヨークでも湿気っぽくて、雨が降ると涼しくなるんです。

──さて、映画『バービー』が本国で記録的ヒットとのこと、おめでとうございます。オープニング興収が女性監督として最高記録を更新したということですね。メディアでは、このように男性監督・女性監督と区分されることが多いですが、そのことについてどう感じていますか?

ありがとうございます。まず、この映画には、たくさんの人たちが一緒になって映画館に観に行って、喜びを感じてほしいという願いを込めて作りました。観客がその通りに映画を受け取ってくれたことに、私自身は感謝感激の気持ちでいっぱいです。私も映画館に出かけるのが大好きなのですが、たくさんの人がこの映画のためにピンクの服を着て映画館に集まっていることに、とても感激しています。

この映画がこの規模感で実現したのは、パティ・ジェンキンス監督の『ワンダーウーマン』(2017)があったからだと、私はずっと考えています。女性監督の作品で、ここまでの予算とスケール感が得られたのは、『ワンダーウーマン』の成功のおかげです。

私の願いは、こうして一つ一つを積み上げることで、私の次に出てくる女性監督に楽をさせたいということ。本作が成功したおかげで、次の女性監督にやりやすい環境ができるのなら、そんなに嬉しいことはありません。そうすればいつの日か、男性監督、女性監督と区分されることもなくなるかもしれませんね。

バービー
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Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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