『ブラック・ウィドウ』米国公開、現時点では延期しない方針 ─ 新型コロナウイルス問題、ハリウッドの対応どうなる

新型コロナウイルスの脅威がハリウッドにも影響を及ぼしつつあるなか、米ウォルト・ディズニー・カンパニー/マーベル・スタジオは、マーベル・シネマティック・ユニバース最新作『ブラック・ウィドウ』の米国公開を延期しない方針のようだ。米Deadlineが報じている。
中国を発端とする新型コロナウイルスの映画界への影響は、主にアジアやヨーロッパにて広がってきた。日本国内では、ディズニーが『2分の1の魔法』『ムーラン』を、ソニー・ピクチャーズが『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を、東宝東和が『ドクター・ドリトル』を、東和ピクチャーズが『ソニック・ザ・ムービー』を公開延期すると発表。そのほか邦画なども含めて、数々の作品の公開に影響が生じている。しかし2020年3月5日、米MGMとユニバーサル・ピクチャーズが『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の劇場公開を世界的に延期すると発表。ハリウッドの大手スタジオ各社では、今後3ヶ月間の大作映画に新型コロナウイルスが与える興行的影響の推定が行われているという。
報道によると、現時点で、ディズニーは『ブラック・ウィドウ』の米国公開日を2020年5月1日から変更しない方針。ユニバーサル・ピクチャーズも『ワイルド・スピード』シリーズ最新作となる『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』を予定通り5月22日に米国公開するという。ワーナー・ブラザースも『ワンダーウーマン 1984』の米国公開日を6月5日から変更せず、パラマウント・ピクチャーズも同様の計画だ。
もしも『ブラック・ウィドウ』の公開が延期される場合、ディズニー/マーベル・スタジオは、同じくマーベル・シネマティック・ユニバース作品『エターナルズ(原題:The Eternals)』の米国公開を11月6日に控えているため、『ブラック・ウィドウ』の公開日をそちらに移動する可能性もある(その場合、『エターナルズ』は2021年にずれ込むものとみられる)。しかしながら、現時点でディズニーにその計画はない模様。映画館などに対し、同社は現在のスケジュールのまま進行する旨を伝えているという。
しかしながら留意しておきたいのは、今回の報道は、あくまでも「現時点での方針」を伝えるものであるということだ。新型コロナウイルスの問題が今後アジアやヨーロッパにてどのように進展するか、あるいはアメリカ国内の状況がどう変化するかによって、スタジオや映画館などの対応も随時変わるものとみられる。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の劇場公開が世界規模で延期されたのは、スタジオによる経営的な判断だった。米The Hollywood Reporterによれば、前作『007/スペクター』(2015)では、世界興収の約38%を、中国やイタリア、フランス、日本など、すでに新型コロナウイルスが映画業界に甚大な影響を与えている各国が担っていたとのこと。マーベル映画や『ワイルド・スピード』シリーズも中国や韓国などが巨大なマーケットになっているだけに、今後の状況によっては、世界的に公開が先送りされる事態も考えられる。
なお、ディズニーは『2分の1の魔法』を3月6日に、『ムーラン』を3月27日に米国をはじめとする世界各国で公開予定。日本ではどちらも公開延期となっているが、米国内で新型コロナウイルスの感染が広がりつつある中、両作がどのような成績を示すかは、今後の大作映画の状況を占う上で、極めて重要な基準のひとつとなるだろう。
▼新型コロナウイルスの影響、映画業界にも広がる
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Sources: Deadline, The Hollywood Reporter