『ブラック・ウィドウ』現在も劇場公開の方針、ディズニーCEOが明言

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作、映画『ブラック・ウィドウ』について、現在も劇場公開の方針で準備が行われていることがわかった。米ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・チャペックCEOが、投資家向けのカンファレンスにて明言した。
『ブラック・ウィドウ』は当初、2020年5月1日に日米同時公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受けて同年11月6日に延期、のちに米国では2021年5月7日まで再延期となっている。日本では米国に先がけて、2021年4月29日(木・祝)に劇場公開予定だ。もっともコロナ禍において、情勢は一切の予断を許さず、ワクチン接種が始まった海外各国でも状況が注視されている。
このたび、チャペック氏は『ブラック・ウィドウ』の劇場公開について尋ねられ、「現在も劇場公開する意向です」と回答した。ただし、「映画館の再開状況や、劇場を訪れることに対する消費者の思いは慎重に観察していきます」とも語られているあたり、興行面を予測しての公開再延期、あるいは方針転換も選択肢には入っているということだろう。
もっとも、このカンファレンスののち、米Varietyは『ブラック・ウィドウ』について「予定通りの公開は難しいだろう」との推測を発表した。この報道によると、『ブラック・ウィドウ』の劇場公開を求め、劇場・配信の同時展開に反対したのは、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長だったという。しかしながら、ファイギ社長の発言力は大きいが、ディズニーの経営的判断を覆せるほどではないとみられる。『ブラック・ウィドウ』の公開に関する判断には3~4週間の余地があると報じられているため、遠くないうちに次の決定が下される可能性は高そうだ。
2021年1月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ユニバーサル・ピクチャーズは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、ソニー・ピクチャーズは『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』『ゴーストバスターズ/アフターライフ』『アンチャーテッド』『シンデレラ』の米国公開延期を決定。『ブラック・ウィドウ』は2020年11月の時点で「劇場公開の方針」と報じられたが、業界全体の反応を受けて「再延期あるいは配信リリースへの切り替えは避けられない」との予測が広がっていた。