『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』悪役ラミ・マレック、『ボヘミアン・ラプソディ』フレディ役の影響を明かす

『007』シリーズの最新作となる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、すでにいくつもの見どころが詰まった話題作だ。ひとつは、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)からジェームズ・ボンド役を演じてきたダニエル・クレイグが、いよいよ本作をもってシリーズを卒業すること。ひとつは『007 スペクター』(2015)から続投するレア・セドゥやクリストフ・ヴァルツの存在。そしてもうひとつが、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のラミ・マレックが悪役として登場することである。
マレックが本作で演じる悪役サフィンは、なんと“シリーズ最凶の悪役”とも称される人物。その詳細は謎に包まれたままだが、演じたマレックは、意外にも『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)での経験が『007』に活きていると語った。英Empireにて、マレックはフレディ役の影響をこう述べている。
「もし作品に出て、別の誰かを懸命にコピーするとして、そのどんな部分を全員が楽しんだり面白がったりするんだろうかと思ったんです。それがミスター・マーキュリーから僕が学んだところかもしれませんね。オリジナルではないものをやるとして、なぜわざわざそんなことをするのか。」
今回のマレックが挑むのは、おなじみ『007』シリーズの世界観だ。そこで悪役として振る舞うにあたって、マレックは「自分のやりたいことも我慢しています」と言う。「けれども、役柄の筋が通るように、この役柄を自分なりに染めたいと思っています。それが同時にショッキングだったり、驚きをもたらしたりするかもしれませんから」。
ここから分かるのは、『ボヘミアン・ラプソディ』で“完全コピー”と賞賛されたフレディ・マーキュリーの演技にも、マレック自身の解釈が多分に入っているということ。そしてジェームズ・ボンドの前に立ちはだかるサフィン役にも、同じアプローチが活きているということだ。マレックは「(『007』の)世界観に必ずしも縛られないものを生み出したいと思ったんです」とも語っているのである。
思えばダニエル・クレイグ版『007』に登場してきた悪役たちは、マッツ・ミケルセン演じるル・シッフルにせよ、マチュー・アマルリック演じるドミニク・グリーンにせよ、ハビエル・バルデム演じるラウル・シルヴァにせよ、そしてクリストフ・ヴァルツ演じるエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドにせよ、いずれも俳優陣の個性と解釈が前面に押し出された魅力をもつキャラクターばかり。マレック演じるサフィンも、そうした系譜の中にきちんと位置づけることができそうだ。
ちなみにサフィンは、予告編でボンドを「殺しのライセンス、暴力の歴史。まるで自分自身と話してるみたいだ」と言い、「私の力は、私が死んだ後も生き続ける」と宣言する。ボンドはサフィンに「歴史ってやつは、神様気取りに優しくない」と言い放つが、マレックいわくサフィンという人物は「ボンドを本当に怒らせる、とんだ曲者」とのこと。さて、その全貌は。
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2020年4月10日(金)全国ロードショー。
Source: Empire