『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』ジャレッド・レト版ジョーカー、一切登場なし ─ マーゴット・ロビーがこだわった理由とは

DCコミックス原作、マーゴット・ロビー主演による映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』に、『スーサイド・スクワッド』(2016)でジャレッド・レトが演じたジョーカーが一切登場しないことがわかった。
すでに予告編などでも示されている通り、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』は、ハーレイがジョーカーと破局した後の物語。ジョーカーという、激しく自分を束縛し、いわば“自分色に染め上げる”恋人と別れたあと、ハーレイがどのように“覚醒”していくのか、そこでどんな友人や敵と出会うのかというストーリーだ。
米Varietyにて、マーゴットは、レト演じるジョーカーが本作にカメオとしても登場しないことを認めている。そもそもハーレイを単独で行動させたいというアイデアは、『スーサイド・スクワッド』当時からマーゴットが抱いていたもの。同作の撮影中、ハーレイ・クインという役柄と「恋に落ちた」というマーゴットは、なぜ魅力的かつ不安定なキャラクターを、ジョーカーとの関係性にとどめておくのだろうかと疑問に思ったという。マーゴットの目に、ジョーカーは「だいたいハーレイを殺そうとしている」キャラクターとして映っていたためだ。

「マーゴットはハーレイが女友達と一緒にいるところを見たがっていました。ガール・ギャングの中にいるハーレイをです。本質的に、ハーレイはすごく社交的なキャラクターですから」。こう語るのは、本作の脚本家であるクリスティーナ・ホドソンだ。今後、エズラ・ミラー主演『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』や、単独映画『バットガール(仮題)』を執筆することも決まっている注目株である。「それに私自身、女の子たちが一緒にいるところや、友達と過ごしている女性をスクリーンで観たいという需要はあったと思います」。
またマーゴットの夫であるトム・アッカーリーは、本作に対するマーゴットの個人的なモチベーションを明かしている。「彼女はイギリスにも、オーストラリアにも、ここアメリカにも女の子の友達がいる。みんなで楽しく快活に過ごしているんですが、彼女は“そういうのをスクリーンで観たことがない”って言うんですよ」。
すなわち『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』にジョーカーが登場しないのは、ハーレイの新たな側面を描きたい、また従来の映画であまり描かれなかった“女友達同士の風景”をきちんと描きたいというマーゴットの思いによるもの。残念ながら、ジャレッド・レト演じるジョーカーの次回登場は未定ということになる。
なお本作は米国でR指定を受けることになるが、この“大人向け”のレーティングもマーゴット自身が強く望んだもの。『デッドプール』(2016)でコミック映画の常識が変わる以前から、マーゴットはR指定の作品としての製作を求めていたという。ところでR指定のDC映画といえば、奇しくも本作に登場しないジョーカーを新解釈で描いた『ジョーカー』(2019)が大ヒットを記録したばかり。マーゴットは「『ジョーカー』はとても地に足の着いた作品でしたが、こっちはハイテンション。まったく違いますよ」と話している。
映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は2020年3月20日(金)全国ロードショー。
Source: Variety