故チャドウィック・ボーズマン、神秘的なエピソードを共演者が回顧

2020年8月、突然この世を去ったチャドウィック・ボーズマン。遺作となった映画『マ・レイニーのブラックボトム』(2020)で共演したヴィオラ・デイヴィスが、生前のボーズマンにまつわる美しい思い出エピソードを披露した。
デイヴィスが米CinemaBlendに話したところでは、彼女はジャンベを叩いているボーズマンの姿を、よく覚えているという。
「ジャンベはアフリカのドラムで、“トーキング・ドラム”と呼ばれているんですね。叩き方に、奏者の魂が表れるんだそうです。彼は自らの癒やしのために叩いていました。“自分のためだよ、ヴィオラ”って。ジャンベを持ち歩いていて、タイで『ザ・ファイブ・ブラッズ』(2020)の撮影をした時にも持っていったって言っていました。旅するときはいつでも飛行機に持ち込むんですね。
大事にしていたんでしょう。現場でも、トレーラーの中で叩いていました。それはとても……、彼にはとてもスピリチュアルなところがあるんです。神を深く信じていて。私、彼は神様と話しているんだって思いました。だから彼の演技は力強くて、美しいんですね。そんなことを、覚えています。」
デイヴィスはジャンベについてトーキング・ドラムと紹介しているが、これはボーズマンにとってゆかりの深い楽器だ。代表作『ブラックパンサー』(2018)では、太鼓を三度「タカタン」と叩くパターンが象徴的に繰り返されるが、これは「ティ・チャラ」と発音した時の響きをトーキング・ドラムで表現したものである。
ボーズマンは、仕事相手にも病の事実を隠していたと伝えられているため、デイヴィスがボーズマンの病を認知していたかは定かではない。ともかくデイヴィスは、ボーズマンの演奏に神聖なものを感じていたということだ。
デイヴィスはボーズマンの没後、「チャドウィック…あなたを失った辛さを表す言葉なんてないよ。あなたの才能、あなたの魂、あなたの心、あなたの信念……あなたの隣で仕事が出来て、あなたと出会えて光栄でした…ゆっくりお眠りください。汝の天国の安らぎに、舞う天使の歌のあらんことを。I love you!」と追悼していた。
Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』は2020年12月18日(金)独占配信開始。
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