デンゼル・ワシントンが『ブラックパンサー』に涙した理由 ― ヒーロー映画出演は「どうなるでしょうね」

映画『トレーニング デイ』(2001)や『マルコムX』(1992)などで数々の映画賞に輝いた俳優デンゼル・ワシントンが、マーベル・シネマティック・ユニバース作品『ブラックパンサー』(2018)に涙したエピソードを語った。

最新作『イコライザー2』(2018年10月5日公開)のため、英JOE.co.ukの取材に応じたデンゼルは、『ブラックパンサー』のプレミア上映を観た際、主演のチャドウィック・ボーズマン、そして監督のライアン・クーグラーに対して感じたことを率直に明かしている。
「『ブラックパンサー』には涙が出ました。上映の前、チャド(チャドウィック)とライアンに会ったので、話をして、それから映画を観たんです。この世界でやってきた40年間を思い出しましたね。」
デンゼルは黒人としてアカデミー賞を受賞した史上二人目の俳優だ。史上初めてオスカー像を手にしたのは、『野のユリ』(1963)のシドニー・ポワチエ。公私ともに非常に親交が深いというこの名優にデンゼルは言及している。
「“この若い奴らを見てくれよ”と思って…それで涙が出てきたんです。ふう、やった、と。シドニーの時代から今までのことを思って。僕は多くの人たちとの間に隔たりがあるんですが、それでもね。リレーの第三走者が出てきたと思いました。(バトンを渡して)“さあ、行け”って。今では彼らの後ろを走ってる…僕はまだ走ってるので。でも彼らは先に行きましたね。」
デンゼルと『ブラックパンサー』にまつわるエピソードはこれだけではない。同作で主演を務めたチャドウィックが、大学時代、演技を学ぶための交換留学の資金に困っていた際、これを援助したのがデンゼルだったのである。『ブラックパンサー』のプレミアで対面するまで、デンゼルはチャドウィックを援助したことを認識していなかったというが、映画界の歴史においても、プライベートな部分でも、デンゼルは『ブラックパンサー』の誕生を人知れず支えていたといえそうだ。
ところで、これまでデンゼルと長らくタッグを組んできたアントワーン・フークア監督は、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長と面会の機会を持つことが先日報じられたばかり。マーベル・シネマティック・ユニバースに携わる可能性が生じていることは大きな話題を呼び、すでに「もしかしてデンゼルも加わるのでは?」との声が聞かれているほど。すべてがうまくいけば、デンゼルとチャドウィックがマーベル映画で共演する可能性も?
ちなみにデンゼル自身は、英JOE.ieのインタビューでヒーロー映画への興味を尋ねられると「オファーは来てないんですけど、どうなるでしょうね」と満面の笑顔で応答。「出ないとは言いませんよ」と話し、今後の可能性に含みをもたせた。
Sources: JOE.co.uk., JOE.ie
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