『ブレードランナー』新作アニメの製作が決定 ― 『2049』前日譚、監督は「ULTRAMAN」神山健治&荒牧伸志

リドリー・スコット監督作品『ブレードランナー』(1982)、続編映画『ブレードランナー 2049』(2017)の世界観を継承する新作アニメシリーズが製作されることがわかった。米Deadlineほか複数のメディアが報じている。
『ブレードランナー 2049』を製作した米アルコン・エンターテインメントは、2018年7月に『ブレードランナー』の世界観を書籍やコミックを通じて拡大していく方針を発表。2018年10月には、『2049』の続編となるコミックの出版が決定していた。
報道によれば、このたび発表された『ブレードランナー』新作アニメシリーズのタイトルは「ブレードランナー:ブラック・ロータス(邦題未定、原題:Blade Runner – Black Lotus)」。1話30分の全13話構成で、2032年を舞台に、『ブレードランナー』シリーズのキャラクターも含めた登場人物たちによる物語が展開されるという。
『2049』公開時に発表された年表によれば、2032年の前後にあたる2030年代には「ネアンデル・ウォレスがタイレル社の遺伝子工学と記憶移植法を改良」しており、「レプリカントを従順に、制御しやすくする」技術を獲得している。あくまでこれにのっとって考えれば、『2049』でジャレッド・レトが演じたネアンデル・ウォレスが登場する可能性は高そうだ。

「ブレードランナー:ブラック・ロータス」で監督を務めるのは、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」(2002)や「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」(2004)などで知られる神山健治と、『APPLESEED』(2004)や『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』(2014)などの荒牧伸志。二人はNetflixアニメ「ULTRAMAN」(2019年4月1日配信)でも共同で監督を担当している。
またクリエイティブ・プロデューサーとして、『2049』の前日譚アニメ『ブレードランナー ブラックアウト2022』(2017)を監督した渡辺信一郎が参加。ちなみに荒牧監督は『ブラックアウト2022』でスピナーのデザインを手がけていた。
アニメーションの製作を担当するのは、荒牧監督が設立したスタジオ「SOLA DIGITAL ARTS」。『ブラックアウト2022』や「ULTRAMAN」に続いて神山&荒牧監督、渡辺氏との創作に臨む。プロデュースはアルコン・エンターテインメントのテレビ部門であるアルコン・テレビジョンと、米カートゥーンネットワークの深夜帯にあたるAdult Swim、そして日本発のアニメやマンガなどを海外配信している米Clunchyroll。日本での放送・配信形式は明らかになっていないので、こちらは続報に注目しよう。
なお『ブレードランナー』シリーズでは、『2049』の前日譚作品として、『ブラックアウト2022』のほか、『2036: ネクサス・ドーン』(2017)、『2048: ノーウェア・トゥ・ラン』(2017)が製作済み。『ブレードランナー』からの“失われた30年間”が、今後もこのように少しずつ補完されていくことになるのだろうか。
アニメ「ブレードランナー:ブラック・ロータス(邦題未定、原題:Blade Runner – Black Lotus)」の放送・配信時期は未定。なお『ブレードランナー 2049』Blu-ray&DVDは発売中だ。
Source: Deadline