『ボヘミアン・ラプソディ』とデヴィッド・ボウイ裏話 ─ 映画で描かれなかったデビュー前の偶然

クイーン(Quenn)のキャリアを振り返るうえで、同じ時代の音楽界を共に席巻したデヴィッド・ボウイとのコラボレーションは欠かせない。クイーンとデヴィッド・ボウイが夢の共演を果たしたシングル「アンダー・プレッシャー」は1981年にリリースされ、全英チャート1位を記録。クイーンとしては1975年の「ボヘミアン・ラプソディ」以来2度目の快挙となった。映画『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックも、最もお気に入りのクイーンの楽曲として同曲を挙げている。
この記事には、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の内容に触れています。
クイーンとフレディ・マーキュリーの物語を描く映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも、当初はデヴィッド・ボウイの再現登場が期待されていた。実際に公開された劇場版では、映画冒頭のライヴ・エイド舞台裏の喧騒に一瞬だけ姿を見せるに留まっている。また楽曲「アンダー・プレッシャー」は、フレディがミュンヘンの邸宅でマネージャーであり愛人のポールを解雇するシーンで起用。デヴィッド・ボウイの歌唱パートもわずかに流れている。
デヴィッド・ボウイは、『ボヘミアン・ラプソディ』でよりフォーカスされる予定があったものだろうか。本作プロデューサーのグラハム・キングは、米CinemaBlendにてその説をキッパリと否定している。
「どうやら、デヴィッド・ボウイが登場するバージョンの脚本が存在するという説が囁かれているみたいですが、そういったものはありません。存在しません。ボウイのそっくりさんを今作に登場させたくなかったんです。それから、ふたりが一緒にレコーディングをするシーンも入れるつもりはなかった。むしろ、どこにあの曲(「アンダー・プレッシャー」)を入れれば良いかを考えていました。最後まで格闘した結果、ミュンヘンでポール・プレンターをクビにするシーンに入れたのです。」
フレディ・マーキュリーとデヴィッド・ボウイ
デヴィッドは当時、クイーンの別の楽曲「クール・キャット」のバック・ボーカルに参加する予定だったが、仕上がりに満足できないままお蔵入りに。そこで行われた2組のジャム・セッションから生まれた一曲が「アンダー・プレッシャー」で、スキャットが多用されているのはセッション中のアドリブに由来するものだ。ギターのブライアン・メイは後年、「フレディとデヴィッドが楽曲の上で激しい戦いを繰り広げていた」と回顧している。
ちなみに、フレディ・マーキュリーとデヴィッド・ボウイの初対面は「アンダー・プレッシャー」時が初めてではなかった。クイーン結成前の1969年、23歳のフレディがロンドンのケンジントン・マーケットのブーツ店で働いていた際、当時既に有名人だったデヴィッド・ボウイが来店。フレディは接客を担当し、一組のブーツを試着させたのだという。それから12年後、2人は英国チャートを制し、さらに37年後には、このブーツ屋の店員は伝説のエンターテイナーとして映画で称えられることとなるとは、誰が予想できようか。
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『ボヘミアン・ラプソディ』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/
Source:CinemaBlend,The Vintage News