『ブレードランナー』実写ドラマ「ブレードランナー 2099」撮影地を急遽変更 ─ 数ヶ月間の準備を撤回、資金も返還へ

SF映画の金字塔、『ブレードランナー』シリーズ史上初のドラマシリーズ「ブレードランナー 2099(原題:Blade Runner 2099)」の製作に大きな変更が生じた。当初予定されていた撮影地を変更するという。
本作はAmazon Prime Videoにて世界配信予定のリミテッドシリーズ(1シーズンかぎり)。『ブレードランナー』(1982)『ブレードランナー 2049』(2017)の続編として、前作の50年後にあたる2099年を舞台とした物語が全10話構成で描かれるという。
英BBCによると、本作は北アイルランドの首都ベルファストにあるベルファスト・ハーバー・スタジオで撮影が実施される予定だった。すでに現地での準備が数ヶ月間にわたって行われていたものの、2023年5月には全米脚本家組合(WGA)のストライキのため撮影の延期が決定。2024年春の撮影開始を目指すと報じられていたのだ。
ところが、全米脚本家組合のストが終結した現在、製作チームはベルファストでの撮影を実施しないことを決定。理由は明らかになっていないが、今後、本作は別の撮影地にてプロジェクトを継続するとみられる。北アイルランドでの映像作品製作を支援するNorthern Ireland Screenは、『ブレードランナー 2099』に410万ポンド(約7億4,570万円 ※1ポンド181.88円換算)を出資していたが、これらはすべて返還されることとなった。
今回の撮影地変更を受けて、Northern Ireland Screenの代表を務めるリチャード・ウィリアムズ氏は以下の声明を発表した。
「映像業界において──特に大きな期待を背負う高額のプロジェクトにおいて──このような難しい決断が行われることを意識しています。北アイルランドの製作スケジュールに穴が空いたため、北アイルランド・スクリーンでは、多くのフリーランスのスタッフやサプライチェーン企業が本作に依存していたことに留意した上で、なるべく迅速にギャップを埋めるよう尽力いたします。」
本作は『ブレードランナー』を手がけたリドリー・スコット、『ブレードランナー 2049』脚本家のマイケル・グリーンとプロデューサーのシンシア・ヨーキンが製作総指揮を担当。脚本はApple TV+「シャイニング・ガール」の新鋭シルカ・ルイザ、監督は「ゲーム・オブ・スローンズ」などのジェレミー・ポデスワが務める。製作発表時、Amazon Studiosのグローバル・テレビジョン部門を統括するヴァーノン・サンダース氏は「映画シリーズの知性とテーマ、精神性を守っていく」と宣言していた。
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