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映画『ブルックリン』ニューヨークで咲いた一輪の花。あなたは彼女の決断に共感する?

シアーシャ・ローナン主演。
(本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネート)

控え目で目立たない女の子が、
1人でアイルランドからニューヨークに渡り
ホームシックになりながらも懸命に生きる姿を描く。

深刻なホームシックに苦しむ様も、
段々と自信をつけて垢抜けていく様も、
初めての恋も、丁寧に丁寧に繊細に表現されている。

ニューヨークに向かう船の中の”洗礼”。
ブルックリンで一緒に暮らす女性たち。
威圧感満点の職場の上司。
彼女の能力を見抜いて手を差し伸べる人格者。

そして、彼女と恋に落ちるハンサムな青年。

ニューヨークで出会う人々は
ドライなようでいて優しく、
ガチガチに固くなっていた彼女の心を溶かしていく。

シアーシャ・ローナンの緻密で繊細な演技は、素晴らしい。
寄る辺なく、頼りなかった内気な少女が努力を重ね、
さらに恋をしたことにより自信を手に入れる。
みるみる綺麗になっていく様は、魔法のようだ。

美しく成長した彼女が故郷に戻ることから、
物語は違った方向に進みだす。

後半の展開については、
人によって感じ方が分かれるところだと思うが、
私にとってはリアルそのものに思えた。

詳しく書くとネタバレになってしまうので避けるが、
そこに描かれている葛藤や苦悩は
セリフというかたちでは現れてこない。
静かで淡々とした描写の中、
シアーシャ・ローナンの瞳が、表情が、
揺れ動き続ける彼女の内面を映し出す。

ぜひとも男性の意見が聞いてみたくなる作品だ。

なお、最初の頃の野暮ったい服装も、
垢抜けてからの素敵な衣裳も抜群に可愛い。
それも見逃せないポイントなので要注目。

Eyecatch Image:http://www.foxmovies-jp.com/brooklyn-movie/

Writer

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umisodachi

ホラー以外はなんでも観る分析好きです。元イベントプロデューサー(ミュージカル・美術展など)。

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