「『バンブルビー』は映画『トランスフォーマー』のリブートだった」海外報道、真偽は現時点で断定できず

結局のところ、『バンブルビー』は映画『トランスフォーマー』を仕切り直すリブートの第一弾だった…。こういった話題がまことしやかに囁かれている。噂の出処は、米ScreenRantによる記事「バンブルビーはトランスフォーマー映画シリーズの正式なリブート、ハズブロが認める」だ。
A New Storytelling Universeとは
ご留意頂きたい。この記事のさらに情報元を辿ると、『バンブルビー』がリブート作にあたるという記載はどこにも見られないのである。ScreenRantがソース元としているのは、トランスフォーマーの海外ファンサイト「TFW2005」の記事。「TFW2005」は、米ニューヨークで開催されたトイ・フェア(見本市、企業展)内のハズブロ社によるプレゼンテーションを傍聴、そのハイライトとして、「映画『バンブルビー』は“新たなストーリー・テリングのユニバース(a new storytelling universe)”と公に宣言」されたとある。決して「リブート」という言葉では伝えられていないし、”a new storytelling universe”をリブートを読み取るかどうかは解釈が分かれるところだろう。
サイト「TFW2005」による『トランスフォーマー』リブートをめぐるレポートについては前例がある。ちょうど1年前となる2018年2月には、やはりニューヨークのトイ・フェア内の同社プレゼンテーションにて、「これまでの『トランスフォーマー』実写映画シリーズを『バンブルビー』をもってリセットする」と伝えられた旨を報告していた。これは後日になって、『トランスフォーマー』ブランド・マネージャーが「お聞きしたことは信じないでください。ご心配なく」と訂正するに発展している。

いずれにせよ、ハズブロ社および『トランスフォーマー』シリーズが、『バンブルビー』をもって新たな路線を開拓したいことは間違いないだろう。同作は少女チャーリーと、健気なバンブルビーとの愛らしい交流劇や、敵のディセプティコンたちとの白熱する戦いが、1980年代のスピルバーグ映画のようなタッチで活き活きと描かれる。同時にオートボットらのトランスフォーム(変形)する様やアクションは、これまでのマイケル・ベイ版に比べて往年の2D/3Dアニメを彷彿とさせるオールドスクール主義。物語においても演出においても、”a new storytelling universe”を狙ったというのは頷ける。
現時点で、『バンブルビー』を『トランスフォーマー』シリーズのリブートと位置づけられるほどの情報は存在しない。パラマウント・ピクチャーズは『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)の続編となるシリーズ第6作の公開予定を白紙撤回していることから、単に『バンブルビー』で新たに切り開いた路線を大切にしていく、といった表現であるようにも感じられる。現在はオプティマス・プライムの単独映画を検討しているというプロデューサーの発言もあわせて考えると、キャラクターごとにフォーカスして物語を展開していく、これまでのダイナミックなストーリー・テリングとは異なる”a new storytelling universe”と解釈することもできる。
本作は、「シリーズ一作目となる『トランスフォーマー』(2007)でバンブルビーがサムと出会う以前の1980年代にさかのぼり、これまで語られることの無かったエピソードが初めて明かされます」と公式より伝えられている作品。現時点ではリブートであるとは安易に断定できない状況だ。
『バンブルビー』で主人公チャーリーを演じるのは、映画デビュー作『トゥルー・グリット』(2011)でアカデミー賞助演女優賞にノミネート、『スウィート17モンスター』(2016)で熱烈な支持を集めたヘイリー・スタインフェルド。『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(2016)がアカデミー賞アニメ部門にノミネートされたトラヴィス・ナイトが実写映画の監督を初めて務める。
映画『バンブルビー』は2019年3月22日(金)全国ロードショー。
『バンブルビー』公式サイト:https://bumblebeemovie.jp/
Source:TFW2005,ScreenRant