マーベル『ブラック・ウィドウ』米公開7月に延期、同日Disney+配信に ─ どうなる日本公開

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新作映画『ブラック・ウィドウ』の米公開が、2021年7月9日に延期されたことがわかった。同日、ディズニー独自の配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」で配信になるという。
米公開はこれまで2021年5月7日を予定していた。この度はおよそ2ヶ月の延期ということになる。日本公開は4月29日を予定しており、本記事時点で動向はわからない。
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Disney+での米配信に際しては、月額の会員費に加えて別途「プレミアアクセス」として29.99ドルが必要となる。これは『ムーラン』(2020)や『ラーヤと龍の王国』(2021)と同様の形式だ。
米ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・チャペックCEOは3月9日の時点で、同作について「現在は5月7日に劇場公開を迎える予定」と伝えていたばかり。発言からわずか2週間のうちに、大きな方向転換を決断せざるを得なかったようだ。
懸念されるのは日本での公開形式である。先の『ムーラン』では、劇場公開を予定していたにも関わらず、度重なる延期の末にDisney+独占配信となっていた。劇場側からすると、結果としてディズニーの独自サービス向けコンテンツの宣伝に協力させられていたこととなり、これを受けた全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)は続く『ラーヤと龍の王国』で、大手シネコンでの上映を見送った。そのため『ラーヤと龍の王国』は、ディズニーの大型新作であるにも関わらず、国内での上映規模が比較的小さくなっていた。同作は週末動員数ランキングで、初週にして6位となっている。
『ブラック・ウィドウ』は、仮に日本でも劇場とDisney+での同日公開となった場合、ウォルト・ディズニー・ジャパンと全興連の関係次第では『ラーヤと龍の王国』同様、巨大スクリーンを有する大手シネコンでの上映が見送られてしまう可能性もありうる。本来ならば安定した動員が見込めるマーベル作品であるにも関わらずだ。
なお米ディズニーは『ブラック・ウィドウ』の延期のほか、同じくMCU作品『シャンチー・アンド・レジェンド・オブ・テン・リングス(原題:Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings)』を9月3日に、『フリー・ガイ』を8月13日に、『キングスマン:ファースト・エージェント』を12月22日に、『Deep Water(原題)』を2022年1月14日に、『ナイル殺人事件』を2022年2月11日に延期するとも発表した。
『クルエラ』は2021年5月28日の予定に変更はないが、Disney+での同日配信となる。日本では劇場公開を予定しているが、『ブラック・ウィドウ』と同じ懸念も考えられる。ディズニー&ピクサーの新作『あの夏のルカ』は、米国では劇場公開を見送り、Disney+独占公開の形となった。同作は追加費用不要で鑑賞できるようだ。
いずれの作品についても、日本での公開予定に変更があれば追ってウォルト・ディズニー・ジャパンからの発表があるはずだ。
Source:Variety