『アベンジャーズ/エンドゲーム』で一度終わったナターシャの物語、『ブラック・ウィドウ』で観客を惹き付けるために工夫したこと

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新作映画『ブラック・ウィドウ』は、アベンジャーズの初期メンバー、ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ初の単独映画となる。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で、ナターシャの物語は幕を閉じたかと思いきや、前日譚ストーリーという位置づけで彼女の物語が初めて明かされるのだ。
アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカらと並ぶMCU古参キャラクターであるナターシャ。単独映画が作られるのにはタイミングがやや遅かったのではないか、と思うファンもいるだろう。とりわけ、『エンドゲーム』でMCUから去ったと思われたナターシャだから、新たなストーリーを伝えていく上で、なおさら観客を惹き付ける工夫が求められる。
「ケヴィン・ファイギはいつもそのことについて話していました」と語るのは、脚本を手がけたジャック・シェイファー。事実、マーベル・スタジオ側もナターシャの新たなストーリーを伝えるにあたり、説得力を意識していたようだ。シェイファーは、米Comicbookに「『エンドゲーム』で彼女の身に起こったことを知ってもらっていながらも、彼女はまだ危険な状況にあるんだという風に感じてもらう必要があると、いつも話していました」と明かしている。
ナターシャは、『エンドゲーム』で役目を果たし安寧を得た。史上最強の敵サノスとの戦いで命と引き換えに仲間を救ったため、次にナターシャが戦う敵を作ること自体、ハードルが高かったはずだ。シェイファーいわく、観客にナターシャの新たな挑戦を感じてもらうための工夫はアクションに現れているという。
「例えば、タスクマスターと橋の上で戦う場面なんかは、とても生々しいです。私は女性が路上で襲われた時のことをずっと考え続けていました。すごく現実的なものに仕上げて、共感してもらえるようにしたかったんです。2人のスーパーヒーローが戦っていたのではありません。自分の人生のために戦うナターシャなんです。それが私たちが伝えたかった映画のスピリットなんだと思います。」
以前、主演のスカーレット・ヨハンソンは、ナターシャの単独映画を作ることに不安があったことを明かす一方で、「今こそやるべき時でした」と決意も語っていた。いよいよMCUを去ることになるナターシャは、最後に何を残してくれるだろうか。
Source: Comicbook