膝つき抗議のアメフト選手コリン・キャパニック描くシリーズ、Netflixにて製作決定

アメリカ出身のアメリカンフットボール選手兼活動家のコリン・キャパニックを題材としたリミテッドシリーズ『Colin in Black & White(原題)』がNetflixにて製作されることがわかった。
コリン・キャパニックは、元ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のアメリカンフットボール選手で、人種差別に抗議する活動家としても有名だ。白人の母親と黒人の父親の間に生まれたキャパニックは、白人家庭の養子として生まれ育った経験を持つ。キャパニックの活動模様は度々話題となっており、2016年にはNFLのプレシーズンマッチ前に行われた国歌斉唱の場で起立を拒否し、片膝をついて人種差別に対する抗議の意を示した。この行動は物議を醸し、2018年にNFLは国家斉唱時の起立を義務化を決定したものの、黒人男性ジョージ・フロイド氏死亡事件をもとに勃発した抗議運動Black Lives Matterの広がりを受けて、同団体はキャパニックらの抗議活動を支持してこなかったことを謝罪。現在に至るまで、キャパニックの行動は人種差別反対の象徴としてアメフト界にとどまらず、世界中で広がりを見せている。
全6話構成の本シリーズでは、キャパニックの人格形成に大きく関わった高校時代に焦点を当てながら、彼を活動家へと導いた経験や行動の裏側が描かれる。白人家庭に育てられたキャパニックが自身のアイデンティティを形成していく中で、偉大なアメフト選手となるまでの軌跡も描かれるという。キャパニック本人もナレーターとして出演するとのことだ。
クリエイターを務めるのは、「グローリー/明日への行進」(2014)や「ボクらを見る目」(2019)など、黒人への差別を題材とした作品を手がける気鋭エイヴァ・デュヴァーネイ。脚本は、「ボクらを見る目」でエイヴァとタッグを組んでいるマイケル・スターベリーが執筆する。製作総指揮は、キャパニック、エイヴァ、スターベリーが兼任。なお、本シリーズは2019年に考案され、2020年5月には脚本が完成しているという。
キャパニックは今回の発表に際して、「私たちは白人のレンズを通して描かれた人種と黒人の物語をあまりにも頻繁に観ています」と語っている。「黒人が直面している異なる現実への新たな見方を追求したいんです。僕が高校時代に、白人コミュニティの中で育てられた黒人として経験した人種間の衝突などを掘り下げていきたいと思っています」。
なお、スポーツ選手を題材としたNetflix製作のシリーズとして、“バスケットボール界の神様”マイケル・ジョーダンの黄金期を描く「マイケル・ジョーダン:ラストダンス」(2020)が高評価を得ているが、本シリーズはどのような作品となるのだろうか。
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Source: Netflix Media Center, USA Today,Today