『ブラックパンサー』監督、銀行強盗犯と間違われ拘束されていた ─ 窓口でメモ手渡す、駆けつけた警察からは手錠も

『ブラックパンサー』シリーズや『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)の監督として知られるライアン・クーグラーが、2021年1月、銀行強盗犯と間違われ、警察に拘束されていたことが判明した。米Deadlineや米Varietyがアトランタ警察から入手した報告書で詳細が記されている。
クーグラー監督は、最新作『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』の撮影期間中であった2022年1月、撮影地アトランタにある銀行Bank of Ameicaを訪れた。12,000ドル、日本円にして約140万円を引き出すにあたり、周りの客の注意を引くことを避けるべく、クーグラー監督は窓口へ向かい、引き出し額と「目立ちたくないので(I’d like to be discreet)」というメッセージを記したメモを女性の係員に手渡したという。
報告書によれば、当時のクーグラー監督の出で立ちはサングラスにマスク姿だったとのこと。担当した係員はクーグラー監督の行動を銀行強盗だと判断し、個人口座を通してコンピューターアラートを作動させ、上司に報告した。現場には4人の警官が駆けつけ、外で待機していたクーグラー監督の同僚2人を取り押さえた後、建物内でクーグラー監督に手錠をかけ拘束したという。
その後、警察はクーグラー監督の身元確認と銀行口座の認証を行い、拘束された3人を解放した。なお、通報した係員には人種差別的な意図は無かった模様。同人物の特徴として、警察は「妊娠した黒人女性」だと発表している。
本件を受けて、Bank of Ameica側は声明を発表し、「我々は、このような出来事を起こしてしまったことを深く遺憾に思っております。再発防止に努めると共に、クーグラー氏にはお詫び申し上げます」と伝えた。一方、誤認逮捕とまではいかなかったものの、一時的な疑いをかけられたクーグラー監督は「こうした状況は、二度起こるべきではありません」とした上で、「しかしBank of Ameicaの方々は私に協力し、納得ができるまで対応してくださりました。我々の間ではすでに解決しております」と述べた。