実写版「カウボーイビバップ」スパイク役、引き受ける上で年齢を気にしていた ─ 原作は27歳、ジョン・チョーは40代で挑戦

日本が世界に誇る人気アニメ「カウボーイビバップ」が、Netflixオリジナルシリーズとしてハリウッド実写化される。ファン注目の実写版で主人公のスパイク・スピーゲルにキャスティングされたのは、ジョン・チョー。『スター・トレック』シリーズをはじめ、『コロンバス』(2017)『search/サーチ』(2018)など数多くの傑作映画に出演してきた俳優だが、スパイク役を引き受けることには当初、年齢的に抵抗があったのだという。
2021年6月に49歳となったジョン・チョー。スパイク役として初めて抜擢されたときや、実写版の場面写真が初公開された際、一部のファンのあいだでは、スパイク役を彼が演じるにはあまりにも歳を重ねすぎているという心配の声が上げられていた。アニメでのスパイクは、27歳という設定だからだ。大きく歳が離れた役柄を演じることについて、Vultureのインタビューにてチョーは、「僕が最も恐れていたことは、自分が歳を取りすぎていることでした。多くの方が僕の年齢に違和感を持つこともわかってはいたんです」としながら、「それを乗り越えなければなりませんでした」と思いを打ち明けている。

つづけてチョーは、「僕は“年齢はただの数字”と言うような人ではありませんし、もちろん身体的にも大変なことです。25歳の男性にも見えないでしょう」と当時抱えていた不安を吐露。それでもスパイク役を演じることを諦めたくなかったのだという。「あるとき、“イエスかノーか、やりたいかどうか”と自分に問いかけるようになりました。私はやりたかったんです。だから、これ以上自分を止めることはありませんでした」。ファンや世間からの声に左右されるのではなく、自分の思いに正直になったということだろう。
また、「27歳の時にはそもそも演じることは出来ませんでした」とも述べている。「身体的には当時の方が適していたかもしれませんが、精神力の観点からいうと、今の年齢の方が不思議にも合っていると思います。スパイクに与えようとした感情の深さを、その時は正しく表現することが出来なかったでしょう。[中略]若い男の役者が最も得意とするのは怒りです。それはキャラクターの中でより顕著な要素となったかもしれません。一方、年を重ねた私が得意とするのは、弱さや脆さ、そして愛を表現することです。そういったものは、私にとって特に身近な存在なんです。個人的には、いまできるバージョンの方が好きですね。それが私の好みです」。これまでに積み重ねてきた人生経験を活かし、チョーはスパイクに息を吹き込んだというわけだ。
Netflixオリジナルシリーズ「カウボーイビバップ」は、2021年11月19日より独占配信開始。
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