ジョニー・デップの演技は「大げさで、何もしていない」?『パイレーツ・オブ・カリビアン』での共演をブライアン・コックスが断っていた

HBOドラマ「メディア王~華麗なる一族~」にてメディア王、ローガン・ロイ役を演じるブライアン・コックスが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズへの出演を断っていたことを明かした。その理由が主人公ジャック・スパロウ役のジョニー・デップに対する印象によるものだったと、英The Guardianのインタビューにて語っている。
第1作『呪われた海賊たち』(2003)から『最後の海賊』(2017)まで現在も根強い人気を誇る『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ。ウォルト・ディズニー・ピクチャーズはエリザベス・スワン(キーラ・ナイトレー)の父でありポート・ロイヤルの総督のウェザビー・スワン役にコックスを検討していたが、コックスがオファーを辞退したことにより、ジェフリー・プライスがスワン役を演じた。
コックスは「『パイレーツ・オブ・カリビアン』は儲かる仕事だったのでしょうが、映画の大半でスワンは感謝の念のない人物でした」とスワン役に魅力を感じなかったこと、そしてデップ本人について好印象を抱いていなかったと述べている。
「個人的な感想ですが、(デップは)すごく大げさだなと思うんです。つまり、『シザーハンズ』のことです。あの手と、青白くて傷だらけのメーキャップさえあれば、何もしなくていいわけでしょう。実際、彼は何もしていませんでしたよね。」
『シザーハンズ』(1990)はデップのキャリア初期を代表する作品で、ティム・バートン監督によるファンタジー映画。両手がハサミの人造人間エドワード(デップ)とキム(ウィノナ・ライダー)の交流が切ない良作で、寡黙ながらも優しい心を持つエドワードの表情や仕草も高く評価はされているものの、コックス好みの演技ではなかったようだ。
いささか辛辣な評にも思えるが、もっともコックスは大人気シリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のロバート・バラシオン役のオファーも辞退した過去もある。報酬が芳しくなかったこと、そしてバラシオンがすぐに殺されてしまうことがその理由であると同インタビューにて明かしており、「アメリカのプロダクションが、イギリス人俳優をアメリカ人俳優とは異なる扱い方をするのは、長年ある傾向です。言葉を変えると、イギリス人をより安く使おうとするということです」と持論を述べている。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズに関しては「儲かるだろうけど断った」と言及しているので、ギャランティの多寡は争点ではないようだが、コックスが強い信条をもって作品や役を選んでいることが窺える。コックスが熱演を見せる「メディア王」は第75回エミー賞にて作品賞・俳優賞を含む27ノミネートを獲得している。2023年11月より配信開始予定のリアリティ番組「007:ロード・トゥ・ア・ミリオン(原題:007’s Road to a Million)」でもコックスの強烈な存在感が堪能できそうだ。
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Source:The Guardian