デヴィッド・クローネンバーグ監督新作SFが始動 ─ ヴィゴ・モーテンセン&レア・セドゥ&クリステン・スチュワート共演、超人間主義が広まる近未来が舞台

『ザ・フライ』(1986)『クラッシュ』(1996)などのデヴィッド・クローネンバーグ監督最新作『Crimes of the Future(原題)』が正式発表された。監督の初期作品である、『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』(1970)と同じ題名だが、セルフリメイクなのかは定かでない。
クローネンバーグ監督にとって本作は、『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014)以来の監督作であり、『イグジステンズ』(1999)ぶりのオリジナル脚本だ。米Deadlineにて、本作の概要が以下のように説明されている。「未来にやり残したことがある」と言い放つ鬼才の新作はいかに。
「人類が人工的な環境に適応することを学んでいる近未来を舞台にした作品。この進化は人間を自然な状態から変容させて、生物学的構造を変化させるというもの。トランスヒューマニズム(編注:超人間主義=新しい科学技術を用いて、生物学的限界を超越しようとする思想)の可能性を受け入れる者もいれば、それを取り締まろうとする者もいる。いずれにしても、『加速進化症候群(Accelerated Evolution Syndrome)』は急速に広まっている状況だ。
パフォーマンス・アーティストであるソウル・テンサーは、加速進化症候群を受け入れ、自分の体に本来は存在し得ない臓器・器官を作り出すことに成功。パートナーのカプリスと共に、その奇妙な臓器・器官を取り除くパフォーマンスをやりとげ、サブカルチャーや政府からの注目を浴びる。しかし、その注目が高まるにつれて、テンサーはさらに過激で観客を驚愕させるようなパフォーマンスをしなければならなくなる。」
出演者には、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)や『イースタン・プロミス』、『危険なメソッド』(2011)につづいてのコラボレーションとなるヴィゴ・モーテンセンをはじめ、『007』シリーズなどのレア・セドゥ、『トワイライト』シリーズや『パーソナル・ショッパー』(2016)のクリステン・スチュワート、『アンダーワールド』シリーズのスコット・スピードマンらが名を連ねている。米国配給は、『パラサイト 半地下の家族』(2019)『燃ゆる女の肖像』(2019)などのNEON。英Screen Daily(米IndieWire経由)によると撮影は、ギリシャ・アテネを中心に、2021年8月2日〜9月10日に行われるとのことだ。