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鬼才デヴィッド・クローネンバーグ、『トップガン』『フラッシュダンス』の監督候補だった ─『スター・ウォーズ』を断った理由も明かす

デヴィッド・クローネンバーグ
Photo by FICG.mxg https://www.flickr.com/photos/guadalajaracinemafest/5533621854/

『ザ・フライ』(1986)『クラッシュ』(1996)などの鬼才監督、デヴィッド・クローネンバーグ。『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)の監督候補に挙がっていたことでも有名だが、過去には、『フラッシュダンス』(1983)や『トップガン』(1986)という不朽の名作の依頼まで断っていたという。

クローネンバーグといえば、奇天烈かつ戦慄的な映像表現や物語、独特な感性で映画界を魅了してきた。『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014)以来となる監督最新作『Crimes of the Future(原題)』では、「5分以内に退席者が現れる」と監督は予想。変態的で近未来的な作品を数多く放ってきた監督は、SFやグラフィックノベルのファンとしても知られている。それにもかかわらず、『ジェダイの帰還』の監督依頼を断った理由は何だったのだろうか?

その真相について訊かれたクローネンバーグは、「SFやグラフィックノベルは大好きですが、監督としては違います」と、Varietyのインタビューにて答えている。当時の出来事について監督は以下のように説明を続けた。

「トロントにある自宅にいて、電話が鳴りました。私はキッチンにいたのですが、“ルーカスフィルムです。デヴィッド・クローネンバーグで間違いないでしょうか?”と電話越しに尋ねられ、“はい”と答えると、“ジョージ・ルーカスがスター・ウォーズの次回作の監督として興味ないかとおっしゃっています”と言われたんです。それが、『ジェダイの帰還』だったわけですけど、“通常、ほかの方の作品はやらないんです”と答えました。するとすぐに電話を切られてしまったんですよ。」

基本的には独自企画の作品にしか興味がないというクローネンバーグは、『トップガン』や『フラッシュダンス』の監督依頼も断っていたことを告白。『トップガン』はアメリカのエリートパイロット養成学校に所属する候補生たちの挫折と栄光の日々を描いた物語で、トム・クルーズをスターダムへと押し上げた一作だ。一方の『フラッシュダンス』は、ダンス映画の金字塔として長きわたり愛され続けている作品で、その年の音楽賞を独占した。

「『トップガン』はアメリカの軍事的なものを題材にしていました。たしかに私は機械や車、飛行機が好きです」としながらも、「監督をすることには興味がなかったんです」と引き受けなかった理由を説明するクローネンバーグ。「監督をするとなると、最低でも2年はかかります。ただ、観るだけであれば2時間。ここが違うところなんです」と続けている。つまり、好きなものと監督したいものは別ということだろう。

青春映画としても映画史に輝く『トップガン』と『フラッシュダンス』だが、もしもクローネンバーグが監督していたら、一体どんな作風になっていただろうか。ボディホラーや近未来的な要素などが取り入れられ、一味違う雰囲気になっていたかも……?

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Source: Variety

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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