スティーヴン・キング『ダークタワー』ドラマ化 ─ 『ドクター・スリープ』マイク・フラナガン監督が手がける

スティーヴン・キング原作の長編小説『ダークタワー』を、同じくキング原作『ドクター・スリープ』(2019)『ジェラルドのゲーム』(2017)を手がけたマイク・フラナガン監督がドラマ化することがわかった。米Deadlineのインタビューで本人が明かしている。
『ダークタワー』は、荒廃した地で、“最後のガンスリンガー”ことローランドが、旅の途中で出会った少年ジェイクとともに、黒衣の男を追い続けるダーク・ファンタジー。キングが約30年をかけて書き上げたライフワークのような一作で、1982年から2004年までに全7部が刊行された。2017年にはマシュー・マコノヒー&イドリス・エルバ主演で映画化されたが、評価・興収ともに振るわなかった。2018年2月にはAmazonがドラマ化権を獲得したが、パイロット版の製作までしか進まず、シリーズ化されないまま権利が失効したという。
このたび、フラナガンの製作会社Intrepid Picturesは『ダークタワー』のドラマ化権を獲得。もともとフラナガンは同社とNetflixの包括契約のもと、「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(2018)「真夜中のミサ」(2021)「ミッドナイト・クラブ」(2022)などの人気作を手がけてきた(『ジェラルドのゲーム』も含まれる)。しかし2022年12月1日、フラナガンとプロデューサーのトレヴァー・メイシーは、同社がNetflixを離れてAmazonとの包括契約を新たに締結したことを発表している。
フラナガンによると、『ダークタワー』の映像化権はAmazonとの契約締結に先がけて独自に獲得されたもの。しかし、「(『ダークタワー』の)権利は、僕たちがAmazonと結んだ契約とは別物ですが、それはAmazonが製作に関われないとか関わらないという意味ではないし、それは分かりません」と説明している。フラナガン&メイシーがドラマ版「ダークタワー」を手がけることは確かだが、現時点でAmazonで製作されるかどうかは不明ということだ。
なお、フラナガンによる『ダークタワー』の映像化は、はじめにテレビシリーズを5シーズン、その後2本の長編映画を製作する構想。すでにシーズン1のパイロットは脚本が完成しているほか、シーズン1の具体的な展開、その後の大まかなあらすじもできているという。フラナガンいわく、「まずはテレビシリーズを実現することが最優先。チャレンジングな企画なので、物事の順序を逆に考えるつもりはありません。けれど(現在の構想が)完璧な形だと考えています」。
『ダークタワー』の権利を獲得するため、フラナガンは原作者のキング本人に「自分がやりたいことを書いた非常に具体的な構想を送った」という。その結果として権利の許可が下りたというから、今回の企画はもちろんのこと、『ドクター・スリープ』『ジェラルドのゲーム』を経て、キングがフラナガンに絶大な信頼を寄せていることがわかるだろう。キングはフラナガンらに協力的で、企画の実現を楽しみにしているとのことだ。
フラナガンは上述のホラー映画のほか、『オキュラス/怨霊鏡』(2013)『サイレンス』(2016)『ソムニア -悪夢の少年-』(2016)『ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜』(2016)など多岐にわたるホラー映画にて監督を務めてきた。いま最も注目されるホラー/スリラーのクリエイターは、『ダークタワー』の映像化という一大プロジェクトにどう挑むのか。
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Source: Deadline / TEXT: HOLLYWOOD, 稲垣貴俊