デヴィッド・リンチ監督、新作短編映画『The Adventures of Alan R.』をYouTubeで配信開始

「ツイン・ピークス」シリーズや『エレファント・マン』(1980)などで知られる“カルトの帝王”デヴィッド・リンチ監督が、自身の公式YouTubeチャンネル「David Lynch Theater」にて新作短編映画『The Adventures of Alan R.(原題)』を公開した。
時計の針の音が鳴り響く約90秒の映像には、“切断された頭”が登場。彼が発する唯一の言葉は、リンチ監督自らの声で録音されたと思われる「お母さん、私は釣りには行きません」のみ……。解釈の余地は無限にあるが、一つ確かなのは「ツイン・ピークス」に登場する“赤い部屋”に敷かれた絨毯を彷彿とさせる物が登場すること。また、同作の物語の鍵となるローラ・パーマーの死体発見に繋がったのも“釣り”だ。
タイトルに含まれる“Alan R.”に関して言えば、『イレイザー・ヘッド』(1977)『エレファント・マン』などリンチ監督と多数の作品で仕事を共にしたサウンド・デザイナーの故アラン・R・スプレットを思い起こさずにはいられない。実際のところ、監督の真意は不明だが、様々なことを想像してみるだけでも楽しい作品であることは間違いないだろう。
ちなみに、2020年6月にも短編映画『The Story of a Small Bug(原題)』を同YouTubeチャンネルにて発表している。当然、同作でもリンチ監督ならではの独創的な世界観は健在。監督本人が出演する中、“謎の生物”を淡々と捉えた不気味な作品だ。
「ツイン・ピークス The Return」(2017)以降、新作を発表して来なかったリンチ監督は、この二ヶ月の間に二本の新作を発表した。また、「David Lynch Theater」では過去の短編作品なども公開されている為、この機会にまとめてチェックしてみてはいかがだろうか。
Source: IndieWire