ワーナーがDC映画に「改善の余地あり」と発言。明るい作風へ転換、ザック・スナイダーの今後は?
「DCエクステンデッド・ユニバース」作品を配給しているワーナー・ブラザース社は、現在総合メディア企業であるタイム・ワーナー社の傘下にある。しかし同社の最高幹部は、DC映画に対して思うところがあるようだ。
先日タイム・ワーナー社のCEO(最高経営責任者)であるジェフ・ビュークス氏が「DC映画には改善の余地がある」と発言した。これは『バットマン vs スーパーマン』や『スーサイド・スクワッド』の厳しい評価を受けてのものだ。
DC映画の失敗と功績
投資家とのカンファレンスに出席したビュークス氏は、Q&Aコーナーで、DC作品に対する批評家やファンの反応に言及。映画には「少々改善の余地がある」と述べ、「DCコミックスのキャラクターはこれまでの映画より少し明るくなる。その方法を検討中だ」とコメントした。
『バットマン vs スーパーマン』の酷評を受け、ワーナーはDCコミックスの幹部であるジェフ・ジョンズ氏を映画版に招いている。ジョンズ氏はDC作品が「希望に満ちた前向きな世界観」だと明言しており、実際に映画『ジャスティス・リーグ』は脚本のリライトが行われた。ビュークス氏の発言と合わせて考えれば、すでに「明るいDC映画」への路線変更は本格始動しているとみてよいだろう。
もっともビュークス氏はDC映画の功績をアピールすることも忘れていない。「作品はもう少し良くできる」としたものの、「戦略はうまくいっている。やりたかったことは達成できた」「計画は順調、むしろ想像以上だ」と述べているのだ。
この背景には、『バットマン vs スーパーマン』と『スーサイド・スクワッド』の世界的大ヒットがある。ビュークス氏は「肝心なのはDCブランドをファン層ごと復活させることだった」と発言。『バットマン vs スーパーマン』のワンダーウーマンにファンが好反応を示したことを強調したほか、「ベン・アフレックでバットマンをリブートしたことは大成功」とも話した。
大丈夫?ザック・スナイダー
しかしビュークス氏の発言からは、DCエクステンデッド・ユニバースの重要人物であるザック・スナイダーの役割が危うくなるとも考えられるだろう。『ワンダーウーマン』には新たにパティ・ジェンキンス監督が登板し、単独映画『バットマン』はベン・アフレック自身が監督も務める。ザックは『ジャスティス・リーグ』2部作を監督するが、「明るいDC映画」への路線変更がザックの作風に一致するかは微妙なところだ。

http://www.vulture.com/2016/06/zack-snyder-set-justice-league.html
しかしこれまでのDC映画も、ダークな作風そのものは大きな問題ではなかった。『バットマン vs スーパーマン』や『スーサイド・スクワッド』では、主にずさんな脚本や雑な編集に批判が集まったのである。いくら路線変更したところで、そうした問題が解消されなければ問題は再び起きるだろう。
ちなみにビュークス氏は、2020年までのDC映画の公開予定に変更はないと明言している。どんな作品が登場するのか、これからも楽しみながら見守りたい。
source: http://variety.com/2016/biz/news/jeff-bewkes-batman-v-superman-suicide-squad-time-warner-1201866932/