企画保留の『デスストローク』単独映画、監督が以前のアイデア明かす ─ 韓国ノワール映画&シェイクスピア風のオリジンに

かつて、DCコミックスの人気ヴィラン・デスストロークの単独映画が企画されていた。2017年秋、『マジック・マイク』シリーズのジョー・マンガニエロが主演俳優として、『ザ・レイド』シリーズのギャレス・エヴァンスが監督として契約交渉に入っていたのだ。しかし『ジャスティス・リーグ』(2017)以降、ワーナー・ブラザース/DCコミックスは体制を大きく変更、2018年秋には「話し合いはまったくない」と伝えられた。
このたびエヴァンス監督は、単独映画『デスストローク』に自らとマンガニエロが参加していたことを英Yahoo! MOVIESにて認めている。「すごく力が入っていた」というエヴァンスは、企画が前進しなかったことをマンガニエロとともに悲しんだそう。今回のインタビューでは、実現しなかった単独映画のアイデアが語られている。
「無駄のないストーリーに、キャラクターのオリジンを描く物語にしたいという計画でした。長くても100分、110分くらいの、2時間は超えないものにしたかったんです。当時のアイデアは韓国のノワール映画にすごく影響を受けていました。映像の質感や色彩、(作品の)気骨や攻撃性が素晴らしいので、そういう点をデスストロークを描くのに活かせれば面白いと思ったんです。」
エヴァンスはコミックやスーパーヒーローのファンではなかったというが、単独映画のためにコミックを読み、リサーチを始めていたとのこと。「熱心なファンの方を納得させられるほどではないにせよ、できるかぎりの時間を費やしました」。そこで着想したストーリーの内容は、“韓国ノワール風”というトーンとは少々異なるものだったという。
「コミックを読んだら、キャラクターの起源が3つほどありました。そこで、彼がどのように目を失い、(デスストロークという)キャラクターを作り出すのかをシェイクスピア風に描けると思ったんです。もっと現実的なアイデアもありましたが、(コミックの)世界があるから、もっと華々しく、様式的なものを作れるぞって。それを非常に面白いところに広げられると思いました。直感的かつ楽しい、とても大胆なアイデアがあったんです。」
エヴァンス監督とマンガニエロは『デスストローク』のストーリーについて話し合っており、単独映画化を熱望していたマンガニエロに至っては、自ら長期にわたって原案を執筆していたことも明かしていた。スレイド・ウィルソン/デスストロークが失明する物語を“シェイクスピア風”に描くとは、もしや『リア王』のグロスター伯をモチーフに取り入れるなどの発想があっていたのか、それとも作品のイメージに関する話だったのか……。
ちなみにエヴァンスは、単独映画『デスストローク』について「何があったのかは知りません。これからのことも分かりません。5年、10年後に復活するのかどうかも」と述べている。「2~3回電話をした後は何もありませんし、何も聞いていないんです。企画が後回しになっているのか、別の誰かがやるのかだと思いますよ」。
Source: Yahoo! MOVIES