『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』鬼才監督79歳の誕生日、場面写真&メイキング写真が到着 ─ 構想30年、企画頓挫9回の呪われた作品が完成

構想30年、企画頓挫9回。“映画史上最も呪われた企画”こと、鬼才監督テリー・ギリアム悲願の新作『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』が2020年1月24日(金)にTOHOシネマズ シャンテほか全国公開される。このたび、11月22日にギリアム監督が79歳の誕生日を迎えるにあたって、本作のメインカットとメイキングカットが到着した。
主人公のCM監督トビーは、仕事への情熱を失いながらも、スペインの田舎で撮影に取り組んでいた。そんなある日、トビーが謎の男から渡されたDVDは、学生時代にトビーが監督し、賞に輝いた映画『ドン・キホーテを殺した男』。舞台の村が近いと知ったトビーは現地に向かうが、人々は映画のせいで変わり果てていた。ドン・キホーテを演じた老人ハビエルは自分を本物の騎士だと信じ込んでおり、清楚な少女だったアンジェリカは女優を夢見て村を飛び出したのだ。トビーを忠実な従者のサンチョだと思い込んだ老人は、トビーを引き連れて大冒険の旅へと出発するが……。公開されたメインカットには、老人ハビエルとトビーが旅をする姿が描かれている。ハビエルの恍惚な表情とは対照的に、トビーのあきれた表情が印象的だ。
1989年に構想が開始された本作は、2000年にスペイン・マドリードで撮影が始められるや、撮影現場周辺を戦闘機が飛び交い、あえなく中断。鉄砲水に襲われて撮影機材が流失、風景も様変わりしてしまう悲劇に見舞われる。さらにドン・キホーテ役(当時)のジャン・ロシュフォールが腰痛で歩けなくなり、ついに企画は頓挫した。その後も資金繰りやキャスティング、権利問題などで完成に至らなかった本作の経緯は、『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(2002)としてドキュメンタリー映画化されている。

本作の日本公開が伝えられると、SNSでは「一生完成しないと思った」「横浜駅より先に完成するとは」といった声が飛び交ったが、なにしろギリアム監督自身も「あまりに長く関わってきたので、完成する日は一生来ないのではないかと思っていました」と話すほど。今回あわせて到着したメイキングカットでは、撮影に意気揚々と臨むテリー・ギリアムの姿が捉えられている。まるで、自身をドン・キホーテと信じて生き生きとするハビエルをギリアム自身が体現しているかのようだ。
主人公トビー役は『スター・ウォーズ』や『ブラック・クランズマン』(2018)のアダム・ドライバー、老人ハビエル役には「ゲーム・オブ・スローンズ」で知られ、テリー・ギリアム監督とは4度目のタッグとなる重鎮ジョナサン・プライス。また、トビーのボス役は『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アベンジャーズ』の名優ステラン・スカルスガルド、ボスの妻ジャッキ役は『007/慰めの報酬』(2008)のオルガ・キュリレンコが演じる。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は2020年1月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。