『デッドプール2』タイトル候補、大量に検討されていた ― それでも『2』が選ばれた理由

映画『デッドプール2』(2018)は、近年のハリウッドにおける続編映画ではまれにみる、実に潔いタイトルの一本だ。一見して続編とは思われないようなサブタイトルが付くケース、ナンバリング以上の意味が込められるケースなどパターンは数々あるが、これほどストレートなタイトルが用意されることは想像されていなかっただろう。海外メディアでも本予告編が公開されるまで(あるいは公開されてもなお)、「正式タイトルはいつ発表?」とささやかれ、『デッドプール2(仮題)』と表記されていたのだ。
しかしながら製作チームも、このタイトルに至るまでは紆余曲折をたどったようだ。主演・脚本・製作を兼任したライアン・レイノルズ、脚本家のレット・リース&ポール・ワーニックは、現実にあらゆるタイトル候補を検討していたことを明かしている。
『デッドプール:エレクトリック・ブーガルー』
英BBCラジオのインタビューにて、ライアンはボツになった『デッドプール2』のタイトル案をいくつか紹介している。『デッドプール:ユニコーン・マウンテンからの脱出』、『デッドプール:エレクトリック・ブーガルー』、『デッドプール:郊外のコマンドー2』。米BUILDのインタビューでは、本当かどうかはわからないが『デッドプール:ジョシュ・ブローリンのパンツからの脱出』という案も挙げているのだ。ライアンいわく、候補に挙がった案は100個にも及ぶという。
「(候補のタイトルを)あれこれ読むのは楽しかったんだけど、そのうちひとつをタイトルにしなきゃいけないってことを忘れてて…。スタジオ(20世紀フォックス)の幹部から、“映画のタイトルは決まりましたか?”ってメールが来て思い出しましたよ。それで“『デッドプール2』はどう? すごくいいと思う”って。」
ちなみにライアンは、これらのタイトル候補について『エレクトリック・ブーガルー』に決まりかけたこともあったと話している。もっとも本人が順調に“俺ちゃん”化しつつあるライアンである、どこまでジョークでどこからが本気なのかは定かではない……。
一方、米CinemaBlendの取材では脚本家のレット&ポールがタイトルが決まった経緯を語っている。ライアンの口ぶりとは裏腹に…というべきだろうか、二人は『デッドプール2』が最良の選択肢であったことを強調した。
レット:僕たちはバカバカしいタイトルを付けるつもりでいたんですよ。でもそういうことは、今や20年間にわたってやられていて、ちょっとおなじみのものになっている。だから、むしろ価値を下げることになるかもしれないと。そこで『デッドプール2』のままで行こうと決めたんです。
ポール:変な話ですけど、『デッドプール2』って呼ぶほうが新鮮に思えたんですよね。
こうして決定したタイトルのいさぎよさ、ひとことで言い切れる気持ちよさは『デッドプール』という作品の内容にも通じるところがあるだろう。そして日本の観客としては、この決定がそのまま国内でも生かされたことに心から感謝したい。
映画『デッドプール2』は2018年6月1日より全国の映画館にて公開中。
『デッドプール2』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/
Sources: BBC, BUILD, CinemaBlend
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.