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『ドクター・ドリトル』ロバート・ダウニー・Jr.、『アベンジャーズ』トニー・スターク役卒業後の出演作

ドクター・ドリトル
© 2020 UNIVERSAL STUDIOS AND PERFECT UNIVERSE INVESTMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

2019年はマーベル・スタジオにとって大きな転換点となった。2008年のインフィニティ・サーガが『アベンジャーズ/エンドゲーム』をもって幕を閉じ、キャラクターの世代交代が行われたからだ。

今やハリウッド最大の映画フランチャイズとして君臨するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。11年間にも及ぶインフィニティ・サーガの始まりと終わりの鐘を鳴らしたアイアンマン/トニー・スターク役のロバート・ダウニー・Jr.は、『エンドゲーム』をもってMCUから卒業した。

それから早3年以上が経つが、パワードスーツを脱いだダウニー・Jr.は現在、どんな活躍をしているのか。近年、「ペリー・メイスン」(2020−2023)や「スイート・トゥース: 鹿の角を持つ少年」(2021-)など、プロデューサーとしての活動に力を入れるダウニー・Jr.だが、本記事では、『ドクター・ドリトル』初の地上波放送(2023年9月1日)を記念して、“俳優”ロバート・ダウニー・Jr.のその後の歩みを紹介したい。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の出演作

『アイアンマン』『アベンジャーズ』シリーズだけでなく、『シャーロック・ホームズ』シリーズや『ジャッジ 裁かれる判事』(2014)などにも出演するなど、俳優として多忙を極めたダウニー・Jr.。現在までに『エンドゲーム』後に出演した作品は3作だ。

『ドクター・ドリトル』(2020)

ドクター・ドリトル
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ヒュー・ロフティング原作の児童文学作品『ドリトル先生』シリーズを再映像化した2020年公開の『ドクター・ドリトル』。元々、2019年5月の公開が予定されていた為、ダウニー・Jr.は『エンドゲーム』撮影終了後すぐに同作の撮影に入った。

ダウニーが演じたのは、動物と話ができる風変わりな名医ドリトル先生。若き女王が重い病に倒れたと聞き、女王を救える唯一の治療法を求めて、一人の少年と信頼を置く動物たちを連れて伝説の島へ冒険の旅に出発する。

ドクター・ドリトル
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正反対とまでは言わずとも、トニー・スタークとは異なるキャラクターを演じたダウニー・Jr.の新たな一面を見られる本作。しかし、映画が封切られるや、批評家からは酷評され、興業収入も赤字着地となってしまうなど、パフォーマンスとしては成功したものとは言えない結果となってしまった。

2023年7月、ダウニー・Jr.は『ドクター・ドリトル』出演を苦く振り返っており、「チャンスを無駄にした傷ですから」とまで語っている。発言の真意について、ダウニーは「この契約に少し興奮しすぎていて、この映画を製作するメリットについて十分に考えていなかったかもしれません」と説明。ほとぼりが冷めた後、内省的な感情も生まれたのだろう。

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それでも、本作がファミリー層を狙った楽しい映画であることも間違いない。“喜劇王”チャーリー・チャップリンを演じた映画『チャーリー』まではいかずとも、ダウニーによるコミカルなドリトル先生を堪能できる1作。トム・ホランドやジョン・シナ、セレーナ・ゴメスなど、動物たちの声を担当した豪華俳優陣との掛け合いにも注目してほしい。

ドクター・ドリトル
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『“Sr.”: ロバート・ダウニー・シニアの生涯』

2022年には、自身のプライベートに迫ったドキュメンタリー作品を製作。『“Sr.”: ロバート・ダウニー・シニアの生涯』で、父にして映画監督・脚本家でもあったロバート・ダウニー・シニアの生涯を追った。

本編では、生前の父親と交流する自身の姿も登場。普段は見られないダウニー・Jr.の姿を見ることができる。

『オッペンハイマー』(2023)

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『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』(2010)『インターステラー』(2014)のクリストファー・ノーラン監督最新作、『オッペンハイマー』。原子爆弾の開発・製造を進めたマンハッタン計画を主導し、後に原爆の父と呼ばれることになった理論物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーの苦悩に満ちた半生を描いた1作だ。

ダウニー・Jr.は、アメリカ原子力委員会の委員長ルイス・ストロースを演じた。本編を構成する3つの時間軸の内の1つで主に登場し、核開発の功罪に悩まされたオッペンハイマーを苦しめる存在となる。

日本公開は未定であるが、本作でのダウニー・Jr.の演技は批評家からも称賛されており、米Varietyはアカデミー賞助演男優賞受賞の可能性にまで言及している。予告編をご覧いただくと、そこに映るロバート・ダウニー・Jr.は全くの別人。筆者も本国アメリカで鑑賞してきたが、ダウニー・Jr.の鬼気迫るシーンは脳裏に焼き付いている。

ロバート・ダウニー・Jr.、今後の出演作

今後、ダウニー・Jr.の出演が決定している作品は、パク・チャヌク監督、HBO&A24共同製作のドラマシリーズ「シンパサイザー(原題:The Sympathizer(原題)」。べトナム戦争末期を舞台に、北ベトナムのスパイが南側の秘密工作員として警察に潜り込み、やがてアメリカに亡命する物語が描かれる。

ダウニーにとっては、約20年ぶりのドラマ出演。作品では、下院議員、CIAエージェント、ハリウッドの映画監督など、一人で複数のキャラクターを演じており、新たな試みを見せている。製作総指揮を兼任し、野心作としても期待できそうだ。

この他、ダウニー・Jr.は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2016)『ドント・ルック・アップ』(2021)のアダム・マッケイ監督最新の映画企画や、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』リメイク版企画への出演も報じられている。2作品で止まっている『シャーロック・ホームズ』シリーズ第3作製作についてもダウニー・Jr.が意欲的な姿勢を見せているという関係者の証言もあり、今後の活躍からますます目が離せない。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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