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『DUNE/デューン』ティモシー・シャラメの考えるヒーロー像、主人公ポールをどう演じたか【会見レポ4】

DUNE/デューン 砂の惑星
©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『メッセージ』(2016)『ブレードランナー 2049』(2017)などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が新たに手がけるスペクタクルSF映画『DUNE/デューン 砂の惑星』が、2021年10月15日(金)に公開される。これに先がけ、日本の媒体のみが参加を許された、ヴィルヌーヴ監督と主演のティモシー・シャラメによる記者会見が開催された。

THE RIVERでは、この会見の模様をテーマ/トピックごとに整理し、計5回の連載でお届けしていく。製作における舞台裏やプライベートな話も含め、2人はバラエティに富んだ内容を語ってくれた。

第4回は、ティモシー・シャラメが語るスーパーヒーロー像についてを掘り下げていく。

ヒーロー俳優が集結した現場では……

『DUNE/デューン』では、10代の少年である主人公のポール・アトレイデスが、名家の後継者として宇宙規模で企てられる巨大な陰謀に立ち向かっていく成長譚が描かれる。壮大な冒険のなかで、ポールは“未来が視える”能力を身に着け、戦士として覚醒していくようになる。そんなポールには、ある種スーパーヒーローという見方もできるはずだ。人民を救うため、自分だけに授けられたスキルを駆使して迫りくる敵に立ち向かっていくという構図は、マーベルやDCコミックスをはじめとするヒーロー映画で語られてきたことと重なる。

そこでTHE RIVERは会見の場にて、ポールと一番年齢が近いヒーローであろうマーベル・シネマティック・ユニバース版『スパイダーマン』シリーズでトム・ホランドが演じるピーター・パーカーを比較対象として挙げながら、ティモシーに「本作でポールを演じるにあたってスーパーヒーローの側面を意識したかどうか」を直接尋ねてみた。

「本作でのポールに対するアプローチは、ヒーローというよりも、あの(十代という)年齢の少年がどんな人なのかということにより意識を置きました。あとは、ドゥニ監督と一緒に作ったからこそ、ヒロイズムということを考えずに自信を持って演じられました。もしほかの監督であればスーパーヒーローの側面を捉えながら取り組んでいたかもしれません。」

ヴィルヌーヴ監督は本作を映像化するにあたって、フランク・ハーバートの原作小説に忠実であることを意識したと会見の場で語っていた。言葉を裏返せば、原作を熟知し尽くしているということでもあり、本作で映し出されるポールの姿は、ヴィルヌーヴ監督の解釈が投影されたものと言える。ティモシーが最優先したのは、ヴィルヌーヴ監督に身を委ねることだったのだろう。

またティモシーは、“ヒーロー”という存在への個人的な認識として、「現実の世界にいる本当のヒーローって、自分が映画のなかにいるとは考えていない」とも語ってくれた。ティモシーが持つこうしたヒーロー像も、本作でのポールに無意識に反映されているかもしれない。

ところで、本作で脇を固めるキャストには、偶然にもヒーロー映画もしくはヒーロー的役割のキャラクターを経験した俳優が多い。ダンカン役のジェイソン・モモアは『アクアマン』(2018)、ガーニー役のジョシュ・ブローリンは『デッドプール2』(2018)や『アベンジャーズ』シリーズ、レト役のオスカー・アイザックは『スター・ウォーズ』『X-MEN』シリーズや現在製作中のマーベルドラマ「ムーンナイト」、ラッバーン役のデイヴ・バウティスタは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』というように、名だたる顔ぶれだ。

彼ら先輩俳優たちとの現場での交流を振り返ったティモシーによれば、「“スーパーヒーローとは何か”とか“ヒロイズムとは何か”というようなことは特に話さなかった」という。どちらかといえば「和気あいあいと一緒に時間を過ごした」とティモシーは話しており、「メンター的な存在として慕ってもいました」と語った。

連載を締めくくる第5回では、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が語る【原作からの影響と繋がり】をご紹介する。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』は、2021年10月15日(金)全国公開。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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