「『ブラックアダム』は巻き込まれた」ドウェイン・ジョンソン、1作限りで終了になったことを悔やむ

ドウェイン・ジョンソン主演『ブラックアダム』は何かと不遇な作品となってしまった。2022年10月に米公開された本作は、DCエクステンデッド・ユニバース作品としては当時最高の観客評価を記録。劇中ではヘンリー・カヴィルのスーパーマン復帰も実現させたことが大きな話題になった。
ところがその後、DCスタジオ設立に伴うシリーズ刷新の影響で、続編が示唆されていたはずの『ブラックアダム』は事実上の打ち切り終了。カヴィル版スーパーマンとの決戦予定は短い夢の記憶に終わった。さらに、制作費が超過して最終的に赤字となることが明らかにされたり、それは主演で製作のドウェインのエゴのせいだとされる論も登場した。
ドウェインはこの度、米Peacockの番組にて、『ブラックアダム』はDCの事情に巻き込まれた形で、シリーズ化が潰えてしまったと振り返った。この番組は、ドウェインとは『ジュマンジ』シリーズなど数多くで共演する友人ケヴィン・ハートと対談する内容。気心知れたケヴィンから「純粋な好奇心から聞きたいんだけど、オープニング興収はあれだけ上手くいったのに、どうして『ブラックアダム』はストップしたの?」と尋ねられると、ドウェインはワイングラスを手にこう答えた。
「『ブラックアダム』は、新しいリーダーシップ(への交代)の渦中に巻き込まれたと思っている。当時、『ブラックアダム』の企画を進め、撮影をし、そこにコロナ禍があって、少し打ちのめされました。製作停止になり、そこからまた再開し……。ご存知のように、その間にリーダーの交代が幾度も起きました。とりわけ上場企業では、リーダーが交代するたびに、クリエイティブ面や、財政面において、哲学的に同意できないような人が入ってくるもの。『ブラックアダム』も、そうしたリーダー交代劇に絡まれてしまった。」
ドウェインは続いて、『ブラックアダム』が自身のキャリア史上最高のオープニング興収記録になったこと、中国で上映されていればもっと多くの興収を得られていたはずだったこと、ユニバースを拡張し、ヘンリー・カヴィルのスーパーマンを復帰させられたこと、有色人種の男女のスーパーヒーローを登場させ、ジャンルに多様性をもたらしたことと、同作で打ち立てた様々な功績を振り返りつつ、シリーズが一作限りで終了となったことを悔やんでいる。
DCの体制が変わってしまったことについて、ドウェインは「NFLチームが買収され、オーナーが交代になること」に例えた。「ヘッドコーチもクオーターバックも交代になる。スーパーボウルで何度勝利していようが、チャンピオンリングをいくつ獲得していようが関係ないんだ」。
ドウェイン・ジョンソンは、新DCスタジオ代表のジェームズ・ガンと話し合った結果、「ブラックアダムは彼らのストーリーテリングのファースト・チャプターには登場しないこととなった」と明言している。
▼ ブラックアダムの記事
Source:Peacock
訂正:記事初出時、『ブラックアダム』のオープニング興収に関する表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。